「授業日誌編」は若手教師のティップス先生が悩みや失敗を重ねながらも、一学期間授業を進めていく様子を日誌風に描いている。その中ではさまざまな課題や授業改善のためのポイントを示し、「授業の基本編」につなげる導入部の役割を果たしている。「授業の基本編」は、コースの設計やシラバスの作成から始まり、日々の授業の組み立て方、魅力ある授業の演出法、効果的なディスカッションのリード法、成績評価の在り方、授業改善などについて、チェックポイントやヒントを盛り込んだコラムなども交えながら解説している。
授業の組み立てでは、導入部は刺激的に、展開部はスリリングに、エンディングは印象的にすることが大切だと説く。また、ボディランゲージの活用や「間」の取り方次第で授業の魅力は格段にアップすると助言する。巻末にはFAQ(よくある質問)による索引も載せ、使い勝手のいい工夫が凝らされている。本書には、大学教員だけでなく、小中高校の教員にも役立つノウハウが満載されている。(清水英孝)