おなじみのチノパンツのルーツは、インド駐留英国軍の軍服だった。定番ファッションの知られざる経歴から、意外な誕生秘話など、身近なアイテムを軽妙な語り口で紐解くエッセイ。知っているとみんなに受けること間違いなし。

タイトルには「方程式」とあるが、どういう意味かわからない。ただ単にファッションに関する蘊蓄と個人的感想を垂れ流しただけの内容なのだ。つまりこの著者が、男性の衣類に関してどのような信念、思想を持っているかが全くわからないのである。

例えば落合正勝氏には（賛否両論あるだろうが）、自分なりの信念だけはある。著者がファッション（とその周辺）に詳しいということだけはわかるのだが、何を目指して、どのような仕事をやろうとしているのか、私は判読できなかった。

やっと一冊の本として手元におけるようになった、と頬擦りしたくなるくらい私にとって待望の一冊。
日経新聞夕刊に連載していた時に切り抜いて保存していたくらい、大好きなコラムです。

書籍名からファッションの本と思われそうですが、それだけではなくとにかく内容が濃いです。
服飾史に興味を持つ人にも、雑学を仕入れたい人にも読んでソンはない内容。
巻末に挙げられた参考文献の多さにもびっくりしました。

「パジャマって何ていう映画がきっかけで普及したか知ってる？」と友人に問題を出したくなってしまいます。
元が新聞のコラムですのでひとつひとつのテーマがとても読みやすい長さにまとめられているので、
お風呂でのリラックスタイムのお供にもぴったり。

今からもう「２」が出版されるのが待ち遠しいです。