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アガサ・クリスティー自伝〈上〉 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

価格: ¥1,155
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
Amazon.co.jpで確認
さまざまなことが出てくるボリューム満載の自伝 ★★★★★
怒涛のボリュームの自伝です。
上巻では子供時代〜結婚・出産までを
扱っています。

やはり国の違いというのは
感じますね。
そう、メイドさんやばあやがいたりとか。
女史の成長にはどうやら
ばあやが深く関わっているようです。

そして知る人ぞ知る
女史のデビュー作誕生の秘密も
ここで描かれています。
そう、あの名探偵の誕生の瞬間を
この自伝で知ることができるのです。

残念ながら長さの都合上
最後は尻切れトンボの形になっているのは
残念ではありますが
それでもファンにとってはたまらない作品
間違いなしでしょう。
作品にアガサクリスティがいっぱい ★★★★★
アガサクリスティの自伝を読むと、作品の中にアガサクリスティの分身がいっぱいいることがわかった。

司祭の娘、少女のころの習い事、結婚と離婚、子供に対する関係など、
場合によっては3人のアガサクリスティの分身がいる作品があることが推測できた。

経験が、生煮えのものから、マープルのようによく煮詰まったものまで、いろとりどりに反映されている。

アガサクリスティものを半分くらい読んでから、読むことを薦めたい。
波乱万丈の人生 ★★★★★
アガサクリスティの経験、推測で生まれてくる登場人物たちの原点が、
自伝の中にたくさんあることが分かった。

物語の中の主人公、登場人物と、アガサクリスティの性格の似た点の背景が分かった。
感情移入しすぎずに、たんたんと書かれた自伝は、資料としては貴重だ。
アガサクリスティ解説を書く人には必須の材料だ。

上を読み飛ばしながら進んだので、
アガサクリスティの本を全部読み終えたら、
もう一度、上から読みなおそうと思う。
波乱に満ちた私生活のエピソードから、充実期に入った著作活動の秘話・裏話を語る ★★★★★
えっ!?あのアガサがサーフィンを?下巻は、世界一周旅行の道中、ホノルルでサーフィンに熱中していたという衝撃の?エピソードで幕を開ける。 

この下巻では、母と夫を立て続けに失うという失意の中、自分探しの中東旅行でマックスと出会い、思いもよらなかった再婚をすることになる波乱に満ちた私生活と、本格的な充実期に入った著作活動における秘話・裏話がたっぷり語られている。 

例の謎の失踪騒ぎについては、直接的には一切、触れていないものの、騒動に耐えられずカナリア諸島へ旅立つに際し、マスコミや群衆に対する不信感を吐露した幾つかのコメントに、狂言説を強く否定するニュアンスが込められている。 

マックスとのエピソードは面白い。マックスとは、ウルでの遺跡発掘調査終了後に、ひょんなことから二人だけの運命的な小旅行が実現するのだが、道中でのある些細な出来事で、マックスはアガサを将来の妻と決めているのだ。また、帰国の旅のさなかに飛び込んだ「一人娘重態」の報に、急きょマックスと乗ったオリエント急行で、あろうことか途中の停車駅で列車に乗り遅れ、映画の一シーンさながらに、山道を抜きつ抜かれつのカーチェイスをするくだりも見物だ。 

著作活動の面では、探偵小説について、「言葉の節約は探偵小説には特に必要」で、「適度な長さは五万語」としており、アガサの定評のある簡潔で読み易い文体が、読む側に立って計算され尽くしたものであったことが伺える。マープルのモデルとなった人達についても詳述しており、ポアロとマープルを老人として登場させ、自分と同時に年をとっていくキャラにできなかったことを計算違いと認めていたり、劇作家の道に踏み込んだ真意も述懐するなど、興味の尽きない話題に溢れている。  

世界最高のミステリ作家でありながら、内気で控え目な、愛すべき人間アガサ。その自伝は、与えられたよき人生と愛を神に感謝する言葉で、幕を閉じる。 

古き良き時代の英国社会における幸せな少女期から結婚、そして、文壇デビューへ ★★★★★
この自伝は、59歳から15年半をかけて、アガサが、折に触れて、心の赴くままに、さまざまなエピソードを書き連ねていったものであり、この上巻では、3歳の誕生日から、33歳で世界一周旅行に旅立とうとするまでが語られている。  

さて、読み始めてすぐに気が付いたのが、「はて、これは、前にどこかで読んだような記憶が…」というフレーズが頻繁に出てくることである。調べたところ、「未完の肖像」であった。改めて並行して読み比べてみると、一目瞭然、ときには実名で語られているエピソードさえあるのだ。一部に改変はあるものの、「未完の肖像」のエピソードは、この自伝のエピソードと重なっており、「未完の肖像」は、ほぼ、アガサの私小説であったと見てもよいことが確認できた。この作品を書いたのがアガサ44歳のときであり、このときは、アガサ自身、まさか後年、自伝でこの小説のネタを明かすことになるとは思っていなかったのだろう。 

ところで、意外なことに、アガサは、15歳まで学校教育を受けていないため(本文の記述から逆算すると13歳頃)、文法がまるでわからず、作文はうまくなかったのだそうだ。ただ、その頃の教師の「あまりに空想的」という批評は、その後のミステリ作家としての大成を予言しているようでもあり、16歳のときに初めて書いた長編小説「砂漠の雪」を読んだ、当時、隣人であった「赤毛のレドメイン家」で有名なイーデン・フィルポッツは、「あなたは会話にすぐれた感覚を持っている」と、アガサの最大の長所の一つを、早くも見抜いている。 

また、注目すべきは、初めて探偵小説を書こうと思い立ったエピソードの中で、ポアロの人物像が完成していく過程を詳しく語っていることだろう。デビューの4年前のことであるが、このときの作品は、出版社から何度も送り返され続け、アガサも出版の望みを断念しかけている。後のデビュー作「スタイルズ荘の怪事件」である。