面白いが短編のような怪奇小説ではない
★★★☆☆
冒険小説としてはかなり面白かったです
しかし、横メルカトルやミサイルマン、異形コレクションなどの短編から入ったじぶんとしてはすこし普通でした。
全体としての描写や背景はいつもの平山さんの持ち味が生きていると思うが、最終着地点はちょっと歪な男女の愛?に落ち着いてしまってる
短編集などの奇妙で爽快な読後感は少なく感じます
しかし、読み物としてはかなり面白く、一気に読めます
悪食読書人のひねくれた意見ですので参考までに・・・
とても刺激的な小説です。
★★★★☆
「いったい、どうなるんだろう?」と引っ張られるように一気に読んでしまいました。
とても刺激的な小説で、アミューズメントパークの人気アトラクションに乗ったような気分になります。
でも、現実の生活には関係ない夢の中の小説だと思いました。
五感で堪能する小説
★★★★★
本とは文字によって構成された二次元の世界であり、
映像で視覚に与えられる効果はTVや映画に比べると圧倒的に少ない。
けれど数多ある本の中には、稀にTVや映画よりも鮮明な映像をイメージできるものもある。
それがまさにこの作品。
しかも視覚だけでなく、聴覚、味覚、嗅覚、触覚にも訴えかける。
平山氏お決まりの暴力シーンはかなり痛い。
特に前半。痛くて痛くてちょっと読み飛ばしてしまった。
この本の舞台はレストラン。
シェフ、ボンベロの焼くハンバーグは、音、香り、味、あふれる肉汁までイメージできる。
本当においしそうなのだ。
ボンベロの作るメルティ・リッチと蜂蜜のスフレを食べられるなら、海外の店だろうと行きたくなる。
けれどただのレストランではなく、殺し屋専門のレストラン。云わば殺し屋の社員食堂。
ここではウェイトレスの命は紙ナプキン程度の扱いしか受けない。
そんなレストラン「キャンティーン」でウェイトレスとして働くことになったカナコ。
仕事そのものよりも、命を守ることに日々必死。
お客としてやってくる殺し屋はいずれも個性豊かで、得意とする攻撃は破天荒。
キャラが立っているので、各殺し屋を見るだけでも楽しめる。
ゴルゴ13のような凄腕スナイパーって現実にいそうだけれど、
こういう殺し屋がいたら楽しいのにな、と思わせてくれる。
後半のアクションシーンは映画よりも映画的。
自分のイメージで、自分の読みたいペースで進められる分、
映画より本のほうが楽しい時間を過ごせることを改めて実感させられる。
ボンベロ、かっこいい。
でも私は個人的にスキンに惚れました。
あまりにもおもしろくて、次に読んだ本がまったく楽しめなくなってしまった。
暴力シーンの描写がきついので、万人向けではないけれど、
耐えられそうな方はぜひご一読を。
の展開が全く予測できない生と死の狭間の駆け引きが楽しめた
★★★★☆
著者の作品は初めて読んだのだが、殺し屋専門の定食屋で繰り広げられる先の展開が全く予測できない生と死の狭間の駆け引きが楽しめた。
何もしていなくても殺される状況におかれているオオバカナコと、定食屋の支配人でいつでもカナコを殺すことができるボンベロ。緊張感がありながらも噛み合わない二人の掛け合いもおもしろかったし、死がすぐ近くにある状況で出されるおいしそうな料理も違和感があってよかった。中盤あたりからボンベロとカナコの間の空気が徐々に変わっていくのだが、それでも、いつ・何があるか分からず、最後まで予測できない展開の連続だった。
ぜったいオススメ
★★★★★
たまたまポプラ社さんのウェブサイトで見つけて購入しました。
ノワールノベル好きにはぜったいオススメです。
異常な状況ではあるけれど、僕はなぜかこの殺人者の集まるダイナーで供される料理の描写にとても生き生きとしたものを感じました。
読んでる途中で、本当に肉汁タップリのバーガーを食べたくなって、そのたびにワザワザ、本郷のファイアーボーイや、人形町のブラザーズに駆け込むほどです。
平山夢明さんの著書ははじめて読みましたが、
この変質感にちょっとハマりそうです。