この本は詳細な説明を入れた大学の考え方と解き方を詳細に説明した材料力学・固体力学の参考書です．詳しい解説を読むだけで大学院入試や期末試験対策，有限要素法の強度解析の資格試験対策になります．材料力学の本質が理解できます．
　ここに記載されている中身は著者の講義で説明されている内容で，一般的教科書で省略されている式の導出過程も記載し，ふんだんに絵や写真を使って説明しています．例題に関しても，座標軸を変えたらどうなるかや，別の解き方で解いたらどうなるかという違う観点から見た解き方も記載しています．著者の経験から得た期末試験で間違えやすい箇所の説明もありますので期末試験や大学院入試対策に最適です．

　この本を理解するためには物理の力学や微分積分，ベクトルや行列について基本的内容程度知っていれば十分です．読者の対象は工学部の学生ですが，工学部を出て材料力学を再度勉強し直す方にもよいでしょう．

　機械工学において，材料力学は機械設計に必要不可欠な基礎ですが，解説に主眼を置いた本はほとんど見当たりません．この本のねじり，曲げモーメントやモールの応力円，カスチリアーノの定理についての解説は最高のものと思っています．部分安全係数の解説も有る材料力学の本です．モールの応力円ではベクトルと一次変換を用いた画期的な説明がなされています．梁の曲げでは剛体力学と整合性を取る座標系や，なぜ座標系が混乱するのかという説明まだ付録にあります．『よくわかる』や『基礎からの』，『マンガでわかる』などでわからない詳細な説明がこの本にはあります．今までにない材料力学の解説本を読んでみてください．

どういう読者が読むべきか

　機械系の大学院入試対策
　強度解析の資格試験対策
　機械系期末試験対策
　理工学部出身だけど材料力学を履修していないで業務に必要な技術者
　応力が何だかよくわからない，回転している軸のねじりがよくわからない，
　はりの曲げで座標の定義に迷う，なぜこの座標系なのかわからない
　モールの応力円がよくわからない
　カスチリアノの定理の使い方がよくわからない人

　間違いを修正した第5版になっています(修正日2017年5月21日）．

目次

第１章　応力とひずみ
第２章　垂直応力
第３章　ねじり
第４章　はりの曲げ応力
第５章　はりのたわみ
第６章 組み合わせ負荷
第７章　ひずみエネルギー
第８章　座屈と骨組構造

著者：東京工業大学　機械系　教授　轟　章