この本は材料力学の参考書『親切な材料力学』の３分冊の第１番目の『応力・ひずみ・ねじり』です．『親切な材料力学』の第１章～第３章までの部分を本にして部分的に読みやすくした本です．豊富な例題の詳しい解答を読んで理解するだけで演習問題を解く以上の効果があります．
　この本はわかりやすい参考書です．ここに記載されている中身は著者の講義で説明されている内容で，一般的教科書で省略されている式の導出過程も記載し，ふんだんに絵や写真を使って説明しています．例題に関しても，座標軸を変えたらどうなるかや，別の解き方で解いたらどうなるかという違う観点から見た解き方も記載しています．この本はいわば教科書ガイドです．期末試験で間違えやすい箇所の説明もあります．

　この本を理解するためには物理の力学や微分積分，ベクトルや行列について基本的内容程度知っていれば十分です．読者の対象は工学部の学生ですが，工学部を出て材料力学を再度勉強し直す方にもよいでしょう．

　機械工学において，材料力学は機械設計に必要不可欠な基礎ですが，解説に主眼を置いた本はほとんど見当たりません．

　この本の部分では，内力，応力，ひずみ，材料試験，安全率，許容応力，ねじりなどが丁寧に説明されています．

【どういう読者が読むべきか】
　期末試験や大学院入試，資格試験などの試験対策
　理工学部出身だけど材料力学を履修していないで業務に必要な技術者
　内力が良く理解できない
　応力が何だかよくわからない，回転している軸のねじりがよくわからない，

目次
第１章　応力とひずみ
第２章　垂直応力
第３章　ねじり

著者：東京工業大学　機械系　教授　轟　章