Gossip
★★☆☆☆
伝記とはそういうものかもしれないが、クリント・イーストウッドの俳優になるまでの生い立ちの部分を除けば、どの作品はどの誰と契約したとか、誰を配役したとか、評論家の評価はどうだったかとか、どの女優と関係をもったとか、他の女優に乗り換えたといったGossipがほとんど。
古い話は知らないことが多かったし、他の映画スター同様に強烈な個性と運を持ち合わせていることも確認できる。例えば、作品の中には傑作・駄作を問わず、結構ヒットしなかった映画も多かったが、不思議と沈み続けることはないこと。映画という虚栄心丸出しの世界でニヒルでいるという矛盾も強烈な個性が成立させていること、等。
しかしながら、総じて言えば、ファンとして少しでも詳しく知りたいというニーズにはこたえてくれるが、それ以上のものではないので、特にGossip嫌いの人にはお勧めしない。
アメリカン・ヒーロー
★★★☆☆
イーストウッドのゴシップまでは、それほど深く日本には伝わってこない。その為にイーストウッドは映画キャラクターのイメージが強く、かっこいい頑固者といった雰囲気が漂っている。
最新の自伝という触れ込みがあったので、イーストウッドファンとして読んでみたくなり購入しました。
ただイーストウッドはプライベートの事を公で話すことはほとんどないらしく、この本にもイーストウッドの発言からの抜粋はほとんどありません。
内容もプライベートの事よりは、映画の方に比重が寄っているかなと思います。
昔から女性問題が豊富な事や、映画会社の中での結構傲慢な振る舞いなど、現実でもなかなかワイルドなんだなと驚かされることもあります。
今では監督のイメージが強いですが、その監督への衝動もかなり昔からだったのだなと思い、それもある意味、自分でこうしたいという我の強さがさせたイーストウッドのパーソナリティなのだと思います。
もう少し時事のイーストウッド本人のコメントなども抜粋して、展開してくれると読みやすかったのですが・・・それは別のインタビュー集などで補いたいと思いました。