子育てにおけるツボを書いた本文を柱に、韻文的な名言がちりばめられ、随所に親たちが心にしておくべき大切なメッセージが込められている。前作と重なる部分もあるが、金言の普遍的な価値に変わりはない。
「子は親の鏡」「子どもはみんな、違うんだ」「親だって普通の人間です」「あるがままのその子を受けいれ、慈しみ、褒める。それが子どもを愛すること」など、ともすれば、当たり前すぎるほどの言葉が並んでいる。しかし、ノルト博士の説得力のある文章は、普通のことをよりストレートに表現し、多くの人にその価値を再認識させる力を持っている。まさに「マジック・ワード」といわれるゆえんであろう。
「褒めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ。愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ。認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる」ノルト博士のしごくまっとうな言葉を読んでいると、子育ての真髄は、親子関係を超えて人とのかかわり方の基本にたち帰ることなのだと感じた。(齋藤聡海)