本書は大きく3つのパートよりなります。それらはリーディングにけるテクストに関する要因、読者に関する要因、そしてリーディング指導への示唆です。第1部では、文字、語彙、文法、意味、パラグラフ、ジャンルが扱われています。それぞれの問題において、まず第1言語による研究成果を説明し、その後で、それらに基づいて第2言語についても考えていきます。第2部は、読者に関する要因であり、記憶、言語熟達度、推論、方略、文化知識が取り上げられています。ここでも第1部と同様に第1言語による研究をしっかりと理解した上で第2言語について考察しています。第3部は教育への示唆ということになっています。取り上げられているのは、リーディング能力の測定、多読、コンピューターの活用です。最初の2部で考察したリーディングというものをいかに教育していくかということが様々な角度から議論されています。
本書はとても読みやすいです。それにリーディング研究の体系を把握することが出来ます。最新の研究が紹介されてあったりするので、とてもよい本であると思います。また、参考文献が豊富であるので、興味のあるテーマに関して自分で研究を進めていくのにも役立つと思います。