一方で、行政評価に関する論文も、切り口が多様であるが故に、「行政評価」自体の定義が不明朗であったと思われる。
そういった状況の中で、様々な取り組み、多様な視点を俯瞰的に再整理し、今後の方向性を示唆した同書は、行政評価の在り方を再考しようと考えている実務担当者や研究者にとって、大変有益な内容を有していると思う。
一方で、取り上げられている自治体事例の多くが都道府県レベルのもの。これはこの本の価値を決して下げるものではないが、一般に「優秀な」府県職員よりも、「普通の」市町村職員の再生がより緊急の課題か。今後、市町村レベルでの実践を踏まえた類書が出ることを大いに期待したい。とひとごとにせずに、わてもがんばります。勇気をくれた、上山氏と伊関氏に感謝。