消えた王子 下巻 ―運命の時―
★★★★☆
無事穴倉から抜け出せたマルコはラットとともに各地の秘密組織に決起を促す合図を伝えるために世界へと旅出ちます。パリ、ミュンヘン、ウィーン、アルプスの山々をを巡り、「ランプがともった」と伝えていきます。途中でマルコを襲ったスパイに出くわしたり合図を送る機会を待ったりと苦労と辛抱とに耐え、合図の伝達者としての仕事を果たして行きます。そしてサマヴィアでの仕事を終え、ロンドンに戻ってきたマルコとラットに待っていたのはステファンではなく「待て」という指令でした。するとサマヴィアで新国王が即位したというニュースが届くと、やっと父から手紙が届きサマヴィアに行くことになります。新国王とステファンに会えることにマルコとラットはうれしさがこみ上げてきますが...
すべてをサマヴィアとその人民の自由と幸福に献げた人々による「幾多の苦難を通して歓喜を」と言える作品です。また子供たちは大人を見ていろいろ学んでいるのだなと思いました。世の中を良くしていくにはまずは大人から始めなければならない、と考えさせられました。