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消えた王子(下) (岩波少年文庫)

価格: ¥735
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: 岩波書店
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最後まで読者に明かさない秘密 ★★★★★
「小公子」「小公女』「秘密の花園」のバーネットの最後の児童文学です。500年前の「消えた王子」の言い伝えのあるサマヴィア国は架空鵜の国ですが、主人公のマルコの暮らすイギリスのロンドンの下町も、ラットと2人で旅するヨーロッパの町々も実在の場所です。その実在感の中で、マルコの家族が大きな秘密を持っている事を感じさせながら進んで行くストーリー。最後まで秘密を読者に明かさないストーリー展開はバーネットらしい冒険ファンタジーです。今回の新訳はお勧めです。大人もドキドキと楽しかったですよ。
消えた王子 下巻 ―運命の時― ★★★★☆
無事穴倉から抜け出せたマルコはラットとともに各地の秘密組織に決起を促す合図を伝えるために世界へと旅出ちます。パリ、ミュンヘン、ウィーン、アルプスの山々をを巡り、「ランプがともった」と伝えていきます。途中でマルコを襲ったスパイに出くわしたり合図を送る機会を待ったりと苦労と辛抱とに耐え、合図の伝達者としての仕事を果たして行きます。そしてサマヴィアでの仕事を終え、ロンドンに戻ってきたマルコとラットに待っていたのはステファンではなく「待て」という指令でした。するとサマヴィアで新国王が即位したというニュースが届くと、やっと父から手紙が届きサマヴィアに行くことになります。新国王とステファンに会えることにマルコとラットはうれしさがこみ上げてきますが...
すべてをサマヴィアとその人民の自由と幸福に献げた人々による「幾多の苦難を通して歓喜を」と言える作品です。また子供たちは大人を見ていろいろ学んでいるのだなと思いました。世の中を良くしていくにはまずは大人から始めなければならない、と考えさせられました。