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新英英大辞典

価格: ¥2,982
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: (株)開拓社
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新しい語彙がないこと以外は文句なし ★★★★★
長い間使っていたミニ版がぼろぼろになったので買い換えました.(お礼の意味でレビューを書きます.)動詞が類型化され,名詞の加算・不可算表記を徹底しているという点がこの辞書の特徴として常に指摘されますが,この良さは使い込むほどわかります.学習上の疑問にしっかり答えてくれるという点では,この辞書は他の新しい辞書(ロングマンなど)より優れています.CDなどのメディアがないこともありますが,サイズが手頃なので,紙の辞書を使うならばこちらにしています.新しい語彙が不足(70年代以降改訂されていないので)している点を考えても5つ星です.
1940年代の香りがしてくる字引 ★★★★★
 現在第6版を数えるOxford現代英英辞典(OALD)の前身がこの辞書です。このことは、同書に添付されている【活用の手引き】に豊田昌倫京都大学教授が明記しています。英語全盛の現代に世界的な名声と知名度を誇るこの辞典の起源は、英米を相手に太平洋戦争にまさに突入しようという時期の日本にあったのです。

 片手にちょうどよい大きさの装丁と重さとは、大きくてずっしりとした今のOALDと比べて隔世の観があります。当時の定義語数は僅かに一千。定義語三千語をさらに一層アングロサクソン起源の中核英語に軸足を置いて、基本動詞と方位副詞とを駆使したOALD第6版の記述と比較すると、この小型辞書が中級学習者に与える情報量ははるかに少ないですし、当時の英語語彙数が多かったエリート層の日本人を想定してか、定義も別の難意語(仏語、ラテン語起源が多数)を使ってなされていることが多いように見受けられます。(このため、皮肉で言うのではありませんが、難関大学受験用単語集を覚えることに労力を割いた受験生にとっては、基本語を駆使したOALDよりも取っ付きがいいかもしれません)

 しかし、それでもこの辞書の価値が失われることがないのは、大袈裟な喩えですが、数学のユークリッド原論や物理学のプリンキピアと同じことが起きているからではないでしょうか。つまり、解説書や読みやすい教科書がほかにいくらたくさん現れようとも、原典であるが故に常に上級学習者達が戻ってくるのです。「基礎とは応用の応用」である、という逆説めいた格言が真を穿っていることを感じざるをえません。

 なお、「1940年代の香り」ですが、書店で見かけたら試しにAustria,Corridor,Aircraft-carrier等の単語を引いてみてください。私が気付いただけでも、こうした単語に編纂当時を感じる語義や図が載っています。