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そして、ねずみ女房は星を見た〈大人が読みたい子どもの本〉

価格: ¥1,995
カテゴリ: 単行本
ブランド: テン・ブックス
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子どもの本は、実用的なんだってば ★★★★★
取り上げている作品は、以下の13点。秀逸なラインナップ。

ごきげんいかが がちょうおくさん
グレイ・ラビットのおはなし
ねずみ女房
ペットねずみ大さわぎ
十一歳の誕生日
愛について
セバスチアンからの電話
片手いっぱいの星
ベーグル(ロールパン)・チームの作戦
お話を運んだ馬
注文の多い料理店
人形の旅立ち
第八森の子どもたち

児童文学や絵本なんて、子ども向けの本でしょ、
と読んでもみようとも思わない人たちに、是非ともおすすめしたい。

これらの本がいかに「実用的」で「人生に役に立つ」ことか!

勿論、子どもの時に上記の本を読んだ事のある人にも、
新鮮は発見がある事まちがいなし。


憧れを大切に、幸福を求める(児童)文学 ★★★★★
 本書は翻訳を中心に、13編の童話(児童文学)が集められている。
 ここでは、ルーマー・ゴッデン作・石井桃子訳「ねずみ女房」が表題に取り込まれているので、この作品を中心に著者の意図をまとめてみたい。
 おすねずみはめすねずみが子育てをして住まいの中でとじこもっていることを命じる。そのような生活に満たされないめすねずみは、かごの中のはとに心ひかれて抱かれしまう。それを知ったおすねずみに暴力をふるわれる。めすねずみはかごを開けてはとを外へ飛ばしてやった後、涙がでてくる。
 ねずみにはめったにできない「星が見えたのです」すなわち〈はるかなるものへの憧れ〉がこのめすねずみにはあったのだという主題を著者は強調している。〈憧れを抱き続ける力〉ということが人生に於いて大切なことを解説でも再確認している。
 この著者の根本精神は「子供の文学に幸福を発見する」ことに喜びを感じることである。辛い結末になる物語は読む気がしなくなるという、向日的で、愛を大切にする児童文学者だと思う。しなやかな教育で学生に慕われているというのも「むべなるかな」である。