ジュブナイルで幸と不幸が描ける作者の受賞作シリーズ
★★★★☆
オンライン・ゲーム世界観を進化させロボットアクションの要素を付け加えた電撃小説大賞“大賞”受賞作。
現実とオンライン空間を同等のリアルととらえ、二つの世界でそれぞれの問題を抱えながらも、そのどちらにも共通する人間関係を軸に物語を描いていく世界観を描く作者の代表作です。
二つの世界の違いを明確にするために、オンライン側に『速度』を持たせ、それを象徴するものとしてロボット型のアバター“デュエルアバター”を使用して陣取り合戦RPGを行い、爽快感と派手なアクションを演出するのが売りです。
ですが筆者の最大の魅力は、そうした爽快さを演出された心地よい世界であっても必ず限界を設けてあり、閉じ込められた世界で登場人物の心には常に幸せと不幸せの両面があり、周辺の人物が爽快感に囚われて失っていく心の機微を主役達は持ち続けるという基本設定にあります。その象徴として当シリーズではコンプレックスがデュエルアバターの形を規定すると設定し、物語の展開と登場人物の心のありようによって様々に姿が変化していきます。
そうしたわかりやすい画を提供しながら、それに頼ることなく現実の物語もきちんと落としどころを作り、ドラマの終端に喜び、悲しみといった感情を仮想世界から置き直してくれるところが秀逸です。
一巻は賞対象作でもあり、現実に問題を抱える主人公が一人の少女と巡り会う、というところまでで終わっていますが、シリーズには進むに従って各自の抱える問題や人間関係の再構築などより広がりを持った治癒と成長の物語が待っています。キャラクター造形や悩みがジュブナイルらしいやや類型的なものであるという面はありますが、構成がスッキリとしているのできちんとした読み応えがあり子供だましではありません。
中学生くらいの方ならこのシリーズから、高校生なら『ソードアート・オンライン』シリーズから読み始めるのがお薦めです。ロボットアクション好きならむろんこちらからですけどね!
否定的な意見もあるが
★★★★★
自分は大好きなジャンル(バトルや恋愛)で内容もおもしろかったと思う 適当に買った本だったが買ってよかった
中古品
★★★☆☆
ラブコメものと青春ものとスポーツものの型が踏襲されております。
ストーリーが分かりやすい。これは良い。
主人公をいじめていじめて、葛藤の頂点に達したとき、大事なものを無くしかける。
そして再起。
ライバルと戦って成長し大団円。
うん、実に分かりやすい。
惜しむらくは、他の人も言っているとおり設定が如何にも借り物くさいところ。
姫の動機は押井守の『アヴァロン灰色の貴婦人』そのままだし、
ニューロリンカーって用語はギブスンの『ニューロマンサー』を意識してる。
加速設定もよくありますよね。
観境内での機械上の加速なら『ディアスポラ』?
SF好きとしての熱が伝わってくるがゆえ、模倣にとどまってしまった感が口惜しい。
元ネタを知っているとどうもオマージュで済ませられない程度に気に掛かってしまう。
借り物が借り物として存在しているため、ジャンクのスクラッチに見えてしまいました。
SFでありながら、むしろSF好きには薦められないかもしれない一冊であります。
うーん・・
★★☆☆☆
ソードアート・オンラインが面白かったので買ってみたんですが。
何でコイツが好かれるんだって思える主人公です。
容姿が悪いだけならまだしも性格まで悪いときた。
ストーリーとか設定はいいのに、主人公どうにかならなかったのか…
否定的な立場から
★☆☆☆☆
内容
・売りどころは世界観。
・文章は読みやすいが、巧くは無い。
・絵になる。
・ストーリー構成は拙い。
・取り扱ったテーマに対するアプローチは拙い。
・相当程度に若い人向け。
感想
純粋に内容がつまらなかった。とりわけ見所も無い。
広告に異様なほど力を入れているので、よく考えてから買うように心掛けたい。
ただし、大賞受賞作なので、ラノベ作家志望の方には現在電撃文庫で求められている技術がなんであるのか、その点においては参考になるかと。