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桃色東京塔

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 文藝春秋
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警察ミステリーと控え目なラブストーリーの絡み合い ★★★★☆
警察ミステリーの短編集としても,かなり面白いと思う。

しかし,本作を特別なものにしているのは,捜査する側(刑事)の出自・人生に由来する背景と,微妙に交差する男女の警官の心の機微を,推理仕立てのプロットに織り込ませ,単なるミステリー以上の物語としての奥行きを作り出していることだろう。

首都近郊のベッドタウンで生まれ育って実質的な故郷を持たず,仕事に挫折しまた妻を病で亡くした男と,圧倒的な過疎地で生まれ育って今でもそこで働き,やはり事故で夫を亡くした女。彼らが,連作の短編ごとに入れ替わりに,そして時には一緒に顔を出して,徐々に距離を詰めてゆく。最後まで男女の仲としてはあいまいなままだが,将来への予感も持たせて連作は終わる。

明快な筋立てを求める向きには物足りないかも知れないが,人物や人生の陰影を楽しめる作品である。
何となく物足りなかったです ★★☆☆☆
柴田よしきさんの最新刊です。

朱鷺の夢 桃色東京塔 渡れない橋 ひそやかな場所 猫町の午後 
夢の中の黄金 輝く街 再生の朝の8編から構成された連作短編集

警視庁捜査一課の黒田岳彦は、事件の捜査でI県警の小倉日菜子と出会う。
日菜子は、東京に対して複雑な思いを抱く未亡人。2人は様々な事件のたびに少しずつ心を通わせてゆくが…

決して雑な文章ではないし、どちらかと言えば丁寧で2人の人物描写もわかりやすく描かれているのだけど、
話そのものがあっさりしているのか深さを感じないせいか話に引き込まれる事もなかったです。