なぜなら、ここに紹介されているメーカー(ブランド)のものを上から下まで身に付けていたら、いったい「いくらが歩いている」のか想像できるだろうか、きっと100万円くらいではお釣りはない、また、これほどまでの一流品を身につけていったい何をするのか?仕事着として身に付けるなら、いったい年収はいくらあったらよいのだろうか?という素朴な疑問がまず浮かんでくる。
ただ、庶民(貧乏人)の戯言と言ってしまえばそれまでだが・・・
落合氏はもともと服飾関係のもの書きではないようだが、ここまで研究をしているという点では5つ星をあげたいが、あまりにも本物追求し過ぎた結果、庶民にはまるで手が届かない領域にまで達してしまったようである。
巷では「記号性」があるブランド物のバックをさげて歩いている ”庶民”に、お洒落センスがないという評論家(落合氏も含め)もいるが、ここに出てくる「もちもの」は記号性がないだけで、見る人から見ればそれがどこのなんなのかはすぐにわかるものである、これでは本末転倒であって、実は、上級な着こなしのセンスを磨くには、生活感があってはならないのである。
これらをセンス良く着こなして、なお仕事ができる人間とは、「階級社会の上位者」のみであることを、もう少し著者はお勉強されたほうが良いだろうと思う。
ただ、なにかの上流階級の社交界などにお呼ばれされることがあったなら、おおいに参考になることは確かだ。
そのときには、ここからセレクトしたものを身に付けていたら、恥ずかしい思いをすることは、こと「着こなし」においてはないだろうと思う。