壮絶な迫力の実録小説。入手困難なのが残念
★★★★★
「まぼろしの邪馬台国」の宮崎康平が晩年に書いた実録小説。
「まぼろしの〜」執筆以前に実際のからゆきさんに取材して書いているから
リアリティ抜群。
小説の部分はあるにしても、実在のからゆきさんから話を聞きまとめただけに、
その体験の壮絶さと悲惨さは読む者を圧倒する。
船でシンガポールに行くのだが、船底に数十人が押し込められ大小便も垂れ流し……。
そんな実話に出会うたびに、戦慄さえ覚えた。
熊本の小出版社が出しているので、入手が困難になることが多いのが残念だ。