今まで聴いた同曲の中で、もっとも深みのある演奏。
★★★★★
両曲とも、クラシックファンにとっては、たいがい様々な演奏家を通して聴いてきたポピュラーな名曲で、
今更買う気が起りにくい曲盤。しかし、晩年のケーゲル氏の演奏に他と次元の異なるものがあることを理解するようになり、
是非聴いてみたいと思った。鑑賞して、噂に違わず、驚くべき名演であった。両曲のテンポ設定や旋律の展開の中に、
同曲の構成に新発見の感動を与えるものがあった。これらの演奏をいかなる言葉にすべきか、強いて言えば、コントラストがきわめて高く、
色彩豊かで、しかも透明感が著しく高い演奏ということになる。この点、他のどの演奏家も比肩しえない高みにあると言いたい。
ケーゲル氏の田園は、昔の録音も持っているが、それは今回のものとは比較しようもないほど普通である。
それはともかく、ジャケットの写真、内容の凄さにつり合うもっと決まる氏の写真をチョィスしていただきたかった。
30年ぶりに聴いた田園
★★★★☆
中学時代にはよく聴いていた田園も今となってはほとんど興味なく聴いていませんでしたが、この演奏ならまた聴き入れる内容です。躁鬱傾向炸裂ですが共感できる部分も多く、最後の部分ではなごり惜しいような悲しみに溢れています。エグモントは狂気に満ちています。これをきっかけにkegelのアルバムをチェックしていきそうです。
思わず唸ってしまうほどスゴい!
★★★★★
ハッキリ言って、第1楽章は平凡過ぎるほど平凡。
でも何度か聴きなおしているうちに、第2楽章で "雰囲気"と言うか"クウキ"がいきなり ガラっ!と変わっているのに気が付いてしまった。 一度気が付いたら あとはのめり込むだけ。 これは通常我々が耳にする『田園』とは、全く別世界を描いたものだ。 もはやベートーヴェンですら、将来こういう角度からこの曲が解釈されるとは 想像だにしていなかっただろう。 マニアックな例えだが、アニメ「ムーミン」で、眠りの国を彷徨っているノンノン(フローレンス)が、歩けども歩けども出口に辿り着けないシーンがあったが、ちょうどそんな感じ。 そして終楽章で 宗教的に浄化されて逝く… 何度聴いても驚愕の異演?である。