【復刻版】佐藤春夫の「都会の憂鬱」 (響林社文庫)
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これは、佐藤春夫が30歳の時、大正十年(一九一三年)に書いた自伝的作品です。
佐藤は、あとがきの中で、次のように記しています。
「自分の作品のなかでは、最も自然主義的(青年時代に感化を受けた)な作風で、また最も自伝的自画像的要素の直接に露骨なものである。当年の生活が生々しくほとんど無遼慮にぶちまけられてゐる。六七年前の実生活を追想しつつありのままに書いてみたものであった。読みかへしてみて当時を思ひ出すところが多かった。(中略)
田園の憂鯵があまりに装飾的な文体で様式化し過ぎていたのに對して全く逆な行き方を試みやうと企てたのであった。全く逆な行き方をしたのは田園と都會とを對照してみる意味もあったからである。似ても似つかないものであるが、内容は田園の憂鬱の直後の生活に取材して、それを表現したもので、この意味では「都会の憂鬱」は「田園の憂鬱」の姉妹篇もしくは双生児であって、同時にその続篇でもある。一つぼ象徴的に書かれ、一つは写実的に書かれてはいるが、要するに主題は同じで併せてわが青春記とでも呼ぶべきであらうか。」
【復刻版の原本】
この電子書籍は、以下の書籍の版面を複写し、シミ、ヤケ、活字のかすれ等をできるかぎり修正し、読みやすくした復刻版です。
佐藤春夫「都会の憂鬱」(角川文庫 昭和30年3月5日発行)
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