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国境の植民地・樺太 (塙選書)

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: 塙書房
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忘れられた地へのアプローチ ★★★☆☆
野心的な氣持で一冊を書かれたと思ひますが、何箇所の誤りが散見されます。忘れかかった樺太の地へのアプローチは評価できると思ひました。昭和天皇の氷雪の門訪問のエピソードも触れてゐてもよかったと感じます。
樺太という植民地 ★★★★☆
 本書は植民地研究であまり見られない樺太の概説書である。
 筆者は、従来の植民地研究で定説となっている「搾取・投資型」の
植民地論では日本の植民地政策を考えることは難しいのではないかと
し、その例として「移住型」の樺太を例に挙げている。そして、北海道・
沖縄の「内国植民地」という概念を再提示するという観点で構成されている。
 筆者は水産・森林・石炭(農業は当初から一貫して樺太の主要産業であった
が、筆者は「専門外である」として触れていない。)という樺太の主たる産業
の変遷に触れているが、「移住者」に対する論拠が本書の特徴であるといえる。
樺太にはアイヌやウォルタなどの先住民以外に、日本人とほぼ同数まで「移住」
(強制移住以外の手段によった移住も多いことを指摘)した朝鮮人や、少数の
中国人・ロシア人が存在していた。本書では、朝鮮人・中国人労働者への扱い
の変化、北海道から樺太へ二次移住してきた日本人の存在など、興味深い内容
が豊富にある。
 樺太を現在広辞苑で引くとサハリンの別名に過ぎないようだ。山川出版の
日本史小事典で樺太を引くと樺太の初代長官は楠瀬陸軍少将が任命されたが、
後の長官は概ね文官であったようだ。この辺りが研究者の興味をそそらぬ所以
であるのかもしれない。しかし、樺太は幕末から現在に至るまで日露間で何度
も領主が入れ替わるという一種の「紛争」地帯であることを忘れてはならない。
武官だけではなく文官の存在にも注目しなければ、戦争は理解できないという
ことを改めて思い知らされた。