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奇子 (下) (角川文庫)

価格: ¥620
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店
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やはりすごい!! ★★★★★
昭和34年に少年マガジンと少年サンデーが発刊された。それまでの主流は「少年」とか「少年ブック」とか「少年画報」という月刊誌であった。手塚治虫が何時からこのような雑誌に漫画を書くようになったのかは知らないけれど、月刊誌から週刊誌になってもその制作意欲は変わらず数々の名作を生んできた。その後、週間の少年漫画雑誌の読者が大きくなったら「ビックコミック」のような青年向けのマンガ雑誌が発刊された。そうなると手塚先生は青年向けの漫画も書いてくれるようになった。ちょっと大人っぽいもの・・ただ大人っぽいといってもそこは手塚治虫先生である・・・単純な大人っぽいものでなく歴史認識や世界認識や思想的なものや・・それはもう・・なかなか奥深い作品が連発されることになる。まあ僕らの成長に合わせてくれていたのですね。そのような時代の1作です。ほんまに凄いですわ。もっと書いて欲しかったです。
雑誌掲載時と最後が正反対 ★★★★★
手塚先生恒例、コミック発行時の大幅描き直しが行われ、
雑誌掲載時とラストがまったくの正反対の展開になったようです。

ネタバレになりますので具体的には書きませんが、
「芸術新潮 2008年11月号:手塚治虫を知るためのQ&A100」
という本に最後の展開2ページずつ掲載されています。


うーん・・・コミック版の方がお話としては確かに良いですが・・・、
個人的に下田波奈夫さんだけは雑誌の展開の方にしてほしかった!

相当重いですが、良くまとまった、密度の濃い話です。
実際にこういう家がありそうで怖いです。
恐ろしい世界 ★★★★★
しかし,読み終えた後の嵐の去った後のような荒涼たる感覚は秀抜だ。壮絶なラストは虐げられ抑圧された奇子の起こした反乱であり革命である。こんな人間達が身近にいたら本当に気が狂うだろう。奇子は本当に生まれなかった方がよかったのだろうか?あと,田舎は怖いというイメージでトラウマになりそうでした。
土曜漫画 ★★★★★
これは凄まじい。

たとえば、アメリカン・ニューシネマの傑作、『イージー・ライダー』を観終えたあとや、稲垣足穂の『弥勒』を読み終えたあとや、つげ義春の『無能の人』を読み終えたあとなどは、あまりのショックでとても学校や会社など行く気がしなくなってしまう。
これらは、全て土曜日に味わうべきものだろう。

この間はじめて読んだ手塚治虫の『奇子(あやこ)』も、やはりそのひとつで、僕はしばらく立ち直れなかった。
なんでこの手塚治虫という人は、人間というものの弱さや下らなさや醜さをここまで徹底的に救い無く、胸悪く描くことができるのだろうか。
こういうものを読むとつくづく、ジョン・レノンにも同様のことが言えるが、手塚治虫が愛や勇気や希望の使者的な扱いを受けているのが不思議でしょうがない。

とにかく、このあまりにも強烈な手塚治虫のダークサイドの美しき結晶に触れてみて欲しい。
この絶望をどう取るかは、あなたの自由である。

★★★★★
 昭和の戦後の闇を描いた傑作だと思います。地下で外界から隔離されて異常に育った奇子が再び外の社会に出て、異常な人間関係の中に交わっていく。見終わった後のなんともいえない余韻、手塚先生は天才です!