ふたりの女優の演技力で魅せる作品。両沢監督のセンスもいいです。
★★★★★
本作はジャケットだけ見ると、世の中に数多あるアイドルの「友情もの」と変わらないイメージだ。だからスルーしてる、という人がいれば、是非とも観て欲しい作品だ。メイキングで北川景子が「台本を読んで自分の性格まで変えてしまった」というくらいにのめり込んだ演技がとにかく凄い。北川は「ワイルドスピード3」とか「ヒートアイランド」とか日本人離れしたスタイルで魅了する女優だと思ったが、てっきり「それが売り」だという先入観があったので、このリナの孤独で意地悪で、世の中を舐めている冒頭の演技にとにかく驚かされた。またそこから病との格闘と「本当の友達」を見つけるまでの心の変化も圧巻だった。対する本仮屋ユイカも、いつもの「おとなしくて可愛い」タイプの延長線上ながら、リナと同じく病と闘う中盤以降の芝居は見事だった。これだけタイプの違うふたりの女優がぶつかり合うと、本物の迫力が出る。それを受ける両沢監督も、さすが「にっかつ」の現場叩き上げだけあり、ワンシーンワンカットの多い「活動写真的」演出で応えていた。共演の黄川田は普段三枚目の役柄が多いので、こういう役が出来るとはびっくりだったが、北川とは「セーラームーン仲間」でもあり(笑)、息もピッタリだった。その他宮崎美子、大杉漣、野波麻帆ら充実のキャストが脇を締めていて、とてもアイドル映画の世界観じゃない。めったに見られない北川のショートカットもカッコいいし、子役・佐々木麻緒の可愛さにもやられた!北川はクラブなぞ行ったことがない、と語っていて、イメージとは違う人柄も感じることができる。星は5つです。
ひっ…さびさに最高といえる作品に出会った
★★★★★
生きる意味を見失った時,この世に自分を繋ぎとめるものは何か?
それを教えてくれる作品です.
私は男性ですが,同じような経験をしています.
同じくらいの年齢で病に冒され,抗がん剤による化学治療と放射線治療を受けています.
ヒロインのような輝かしい過去ではないにしろ,壊れゆく現実を経験しています.
そういう経験がある人達なら,よりよくこの作品を理解出来ると思います.
また,知らない人は,こういう現実を知ってほしいです.
『どうして病は俺を選んだんだ?!』
『どうして俺が苦しまなければならない?』
そういう理不尽を痛感します.
でも,そういう苦しみがあったからこそ,人よりも人の痛みが分かるようになったのは事実です.
この世で信じられるのは,目に見えたり,聞こえたりするものじゃないです.
『感じるもの』それだけです.
俺ならあのクラブの男のような愚行はしないな〜.冷めるどころか,むしろより愛おしくなるな!
仮に北川景子並のルックスならよりだわ(笑)
正直,北川景子がここまで素晴らしい演技が出来ると思いませんでした.モップガールから北川ファンですが,これを見てよりファンになりましたね.
作品も最高ですが,北川景子の演技にも脱帽させられる作品なので,かなりお勧めです!