『ビッグブックのスポンサーシップ』はジョー・マキューの最後の著作、Carry This Message――A Guide for Big Book Sponsorship の翻訳です（ビッグブックBig Bookはアルコール依存症者の回復共同体アルコホーリクス・アノニマス（AA）の同名テキストのニックネーム）。本書は発売以来「緑本」の愛称で広まったロングセラーです。この日本語版序文の中でジョーは、「12のステップは決して目新しいものではない。もともとは数千年にわたって実践されてきた生き方の原理である。しかし、ビルはその原理を巧みに編み変え、誰にでも実践できるプログラムにした。そしてこのプログラム――12のステップによって、数百万人の人々が苦しみから救われ、彼らの回復が可能になった。（中略）実際、私にも、そして私がかかわった数千人の人たちにも効果があったのだから、きっと日本のみなさんにも同じ結果が生まれるはずである」と書いています。 また本文では、「AAは原理を教える。原理は不変であり、永遠に残る。（中略）しかし残念ながらAAにも苦労して原理を教えようとせずに規則を与えようとするスポンサーがいる」と、愛するAAの現状の問題点を指摘し、その改善の必要性を明らかにしています。しかし、ジョーは単なる評論家ではありませんでした。ジョーは晩年、パーキンソン病にかかり車椅子の世話になっていましたが、亡くなる少し前まで毎日のように回復のメッセージを伝え続けたのです。