著者の前著「ヨーロッパのＣＳＲ」で目から鱗の感動を味わったので、続編的位置づけと思われる本書を手にとってみた。ＣＳＲを「企業の公共政策」と整理した上でアジアの事例に即して説明しており、単なる事例本では得られない納得感がある。ＢＯＰやソーシャルビジネスのトレンドも、今まで漠然と理解したような気になっていたが、本書を読んで核心をつかんでいなかったことを実感した。「希少性」、「正当性」、「成長性」から説いたＣＳＲと企業競争力の関係はすごく独創的でＣＳＲの経営戦略上の意味がわかった。仕事でやっているととかく固定観念を持ってしまいがちだが、本書は頭を柔らかくしてくれるので、広くおすすめしたい。