システムの本質に迫った本
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システムをどういうふうに設計していくべきかをシステムの本質とは何かを考察しながら追求した本です。
要求の分析から、バージョンアップ、保守に至るまですべての過程を視野に入れて、どの技術をどのように適用していったらよいのか、また個々の技術の優れた点と限界を明確にしていきます。
萩原正義さんの講演をTech・Edやコンファレンスで聴いて、難しすぎて理解できなかったという人には特にお薦めしたい本です。限られたテーマだけを掘り下げる講演では理解できなかったことが、本書で全体を俯瞰することですべてがつながり一気に理解できます。
内容の濃さからすると、かなりお買い得と思いました。
一通り認識しておきたい一つ上からみたアーキテクチャ
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恥ずかしながら、アーキテクチャという言葉の意味合いを意識しての開発をしたことがなかった。ただ、意識しないとシステムの開発はできないと、指摘を受けて、アーキテクチャの意味合いを確認したくて購入通読。
読んでみると、システムを構築する上で土台となる部分をどのように作っていくのかなどを、すべてのプロセス、すべての開発過程、すべてのモジュールについての基盤部分を定義し、それに対して的確な創造、判断を下していった結果のものがアーキテクチャのように感じた。データモデルの作り方、アスペクト指向、ドメインモデルの分析、DOA,OOAのアプローチの違いなど先人の多々の知識を具体的に説明してくれている。アプリケーション開発での基本方針となるべきことに対する提案指摘を行ってくれている感がする。
一日二日で読むには私にはテーマが深すぎた気がしますが、上流の開発者はひと月ぐらいかけてでもじっくりと通読して、本書内の単語、技術は一通り認識しておくべきだと思いました。
ITアーキテクト必携
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SOAやBPMといった技術論、ドメイン駆動 (Programmer’s SELECTION)などの方法論などいろいろな本が出ていますが、本書はそういった細かいところではなくシステム全体を俯瞰した視点で書かれた本です。
俯瞰して、ビジネスのAgilityに対応するシステム、スケールアウト対応のシステムにするにはどうすればよいのかという、大きな視点で書かれています。
技術論や方法論はその中での選択肢として登場しますが、細かくは記載されていません。いろんな技術論、方法論は見聞きしたけれども使いこなせていないな〜という方、きっとこの本で開眼すると思います。