壁にぶち当たった人間は何に活路を見出すのか
★★★★☆
『芸人学生』の加筆修正版であり,端的に言っておもしろい体験談である.というか,壁にぶち当たった人間が何に活路を見出すか,東国原氏の知事に到るまでの過程は大変参考になる話が多い.この本を読むことで,東国原氏の人間性を誤解していたことを知るに到った.どうしても,あの『淫行事件』が頭をかすめるわけだが,この本を読んで,その禊ぎが終わっていることを確認できた.十分に制裁を受けたわけで,もはや過去のことと考えるべきだと思う.この制裁の反動が氏の場合はいい方に転がっている.ピンチをチャンスに生かした氏の行動は見習うべき点が多い.
宮崎県知事に立候補して,当選に至る過程で,氏が重視したことは,地方の活性化であることは周知であるが,その根底は 『人間はいつでもやり直せる,人生を再構築できる』ということにある.元気を無くしている中高年(小生を含む),方向性を見失い目標が見つけられない多くの人には,この本から勇気づけられるメッセージを感じ取ることができるのでは無いだろうか.少なくとも,氏の努力には頭が下がる思いだ.