めっきに興味を持った人への入門書
★★★★★
湿式めっきと乾式めっきの概略から始まって、主に湿式めっきの原理を中心に据えて
前処理、pHの影響、助剤(錯化剤、キレート剤)の説明が、余り専門的な話を用いず
概念的に解説されています。また、めっきに必要な知識も最低限の専門用語にとどめて
非常にコンパクトにまとめられています。また、めっきの役割や性質、応用例が
広範に紹介されているので、めっきに対する認識を深めることができると思います。
本書全体にいえることですが、見開きで1項の解説が完結し、その中の1頁に図が
充てられる程度に多用されているので、理解が容易になる工夫がされています。
そのような本ですので、電気化学等を専攻していた方にしてみると、やや物足りない
感は否めませんが、めっきを専門として来ていなかった方のために、めっき現場の
勘を養うという意味では適した書籍ではないかと思います。