金融緩和の天国と地獄:改訂版: 永久に繰り返すバブルの膨張と崩壊 常識に挑戦する経済論
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金融緩和はバブルを招くかも知れません。しかしバブルを恐れて緩和を渋れば、
日本は再びデフレ不況に逆戻りしてしまいます。現代経済はバブルなくして
成長なしとも言われています。進めばバブル、戻ればデフレ。なぜこんな状況に
なってしまったのか。しかも国債は1000兆円を超え、財政再建と称して財務省が
さらなる消費税増税を虎視眈々と狙っています。なぜ国民は増税に苦しめられな
ければならないのか。それらは共通の原因によって引き起こされています。
それは「世の中のおカネがすべて借金から作られている」という事実です。
金融緩和の功罪を両面から検討するなかで、バブルが避けられない現在の通貨
制度の欠点を浮き彫りにし、政府通貨の導入による経済の活性化と、国民資産を
財務省から守る方法を提案します。
常識とは違う視点から書かれておりますので、多面的に考えるのが好きな方には
面白いかも知れません。「常識に挑戦する経済論」シリーズ2作目となります。
文字数:約13万文字。
※2017年7月25日に内容の改定を行っています。
<目次より抜粋>
第一章 金融緩和の天国
・バブルに沸く経済は虚妄ではなく「本物」
・生活に満足しているからおカネを使わないのか?
・「おカネを増やしたらインフレだけ起こる」という奇妙な説
・なぜ人はデフレよりインフレに過敏反応するのか?
・日銀の誤った独立性が歪めた金融政策
・米元財務長官サマーズ氏「バブルなくして成長なし」
第二章 金融緩和の地獄
・日本のアニメ「C」が描く地獄の輪転機
・銀行の成り立ちと仕組み 打ち出の小槌
・資本主義経済は借金に依存している
・バブル膨張は銀行が引き起こす
・バブルの歴史 世界大恐慌
・バブル崩壊で焼け太りする資産家
・金融街の「マネーロンダリング」
第三章 奪い取る資本主義から奉仕する資本主義へ
・財務省の狙いは「国民の資産」を奪うこと
・政府通貨制度によって国民の財産を守る
・現金を政府通貨として再定義する
・貯蓄による通貨の退蔵問題を解決する
・インフレになっても貧しくならない社会
・奪い取る資本主義から奉仕する資本主義へ
第四章 バランスシートからみた通貨と金融政策
・市中銀行とバランスシート
・通貨供給とバランスシート
・100%マネー案の事例:統治通貨
<「はじめに」より一部抜粋>
・・・なぜ世界経済はバブルとバブル崩壊を延々と繰り返しているのか?納得の
できる説明をしてくれる偉い経済学者の先生は誰も居ません。偉い先生は国民
そっちのけで、金融緩和推進派と反対派に分かれて綱引きを繰り返しているだけ
です。金融緩和をすればバブルになって景気は回復するがやがて崩壊するリスク
がある、だからといってバブルの発生を恐れて金融緩和しなければ失われた20年の
日本や現在のEUのようにデフレ不況から延々と抜け出せない。進むも地獄、
戻るも地獄なのです。「これは根本的に何かがおかしい」。そう思うのは当然だ
と思います。その根本的な元凶はどこにあるのか?現代の経済構造は金融システム
の上に構築されており、金融システムの良否が経済活動の成否を左右します。
ですから金融システムに何かの原因があることは明白です。
金融システムとバブル経済には極めて密接な関係があります。むしろ現代の
金融システムはバブルそのものと言っても過言ではありません。しかも現代
経済は「貯蓄の過剰と投資の不足」という金融システムにおける致命的な問題
に直面しており、もはや金融システムの改革なしに世界経済の健全化は望めない
と思われます。ところが金融システムの課題には与党も野党もまったく言及しません。
金融システムの課題に関しては完全スルーなのです。
その一方で「将来世代にツケを回すな」として財務省と御用学者がさかんに
財政再建を取り上げ、増税の必要性を叫んでします。しかしなぜ将来世代へのツケ
が貯まったのでしょうか?「政府が借金したからだ」と御用学者は言います。
確かにそれは嘘ではありませんが表面的な理由に過ぎないと考えられます。本当の
理由は「国民が貯蓄しているおカネが政府の借金からできているから」です。つまり
国民が貯蓄すればするほど将来世代のツケが大きくなるのです。これは日本国全体の
金融資産バランスシートを確認すれば誰にでもわかる事実です。ですから、本当に
将来世代のツケをなくしたなら、国民の資産もまた消えてなくなるのです。なぜ
こんなおかしな理屈になるのか?それは現代の金融システムがそのように出来ている
からです。「誰かの資産は必ず誰かの負債から成り立っている」。この金融システム
が現代経済に様々な弊害をもたらしていると考えられるのです。・・・・