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不思議の国のアリス (ちくま文庫)

価格: ¥651
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
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   インターネット時代にふさわしい新しい訳と描き下ろし挿絵による、ご存知ファンタジーの名作。訳者山形浩生は、著作権の切れた作品の翻訳をオンライン化して公開する「プロジェクト杉田玄白」の主宰者。本書はそこに公開されているものの改訂紙版である。電子版で無料公開したテキストを、さらに本にして売るという自信作。

   1865年英国で出版された『不思議の国のアリス』は、日本でも1908年(明治41年)の初訳以来、大正の鈴木三重吉、昭和の芥川・菊地寛共訳など、数多くの訳本が刊行されてきた。掛詞、地口、しゃれ、でたらめ、替え歌など言葉遊びの魅力=魔力が、文学者や研究者の翻訳熱に火をつけ、近くは柳瀬尚紀、北村太郎、矢川澄子の訳も記憶に新しい。

   本書山形訳は全体に平易で、風通しがよい。「涙の池」の冒頭、ケーキを食べた途端どんどん伸びていく足を見て叫ぶアリスのせりふ「curiouser and curiouser!」が、「チョーへん!」と訳される。「奇妙れてきつ! 奇妙れてきつ!」とか、「てこへん、へんてこ!」とか、「へんてこんて、へんてこんてえ!」などの他の訳と較べると、いかにも平成若者言葉。有名なお茶会シーンも、「三月うさぎと帽子屋さんが、そこでお茶してます」と軽快だ。

   スソアキコのアクの強いギャグマンガ風の挿絵がまた、アクションが効いていて、CGやテレビゲームに慣れた子どもたちにはぴったり。ジョン・テニエルの画がこの作品に与え続けてきた「純文学」調のイメージを一新している。(中村えつこ)

ムーミンのヤンソン女史が挿絵 ★★★★☆
かの有名な『不思議の国のアリス』です。
 何が違うのかと言うと、挿絵をなんと、あのムーミンの作者トーベ・ヤンソンが描いているのであります。
 ヤンソン女史の絵はアースカラーを基調としていて、まさに北欧っていう感じ。なんだか絵から大好きな雑貨屋さんのにおいがするのです。小動物のタッチはお見事で、五指ソックスをはいたような小動物は味があります。
 肝心のアリスもディズニーのタッチや、本家の挿絵のタッチと比べるとなんともうつろでリアルな表情がぞくっとする少女なのです。
 ほとんど挿絵目当てで購入した本ですが、村山由佳の訳も独特で新しい感じがしますよ。
 
原作アリスを気楽に読みたい方にお勧めです ★★★★★
アリスはたくさん訳されたものがありますが、これは原作版をそのまま漫画にしてある感じなので入門書として気楽に読めました。
絵もかわいい感じで原作アリスが難しくて読めないという小さい子どもでも楽しく読めると思います。

ところどころ、長い詩のシーンなどは書かれていないようですが基本のストーリーは抑えている感じだと思います。
もう少し、詩の部分のシーンなどがあればもっと良かったかなとも思いました。
よ、読めない・・・。 ★★☆☆☆

わたくし、40歳の男性です。
そもそも、本書の対象外であることをわかった上でのレビューです。

「名作をマンガで」のシリーズは、全巻買って、楽しく読みましたが、本書だけは最後まで読み切ることができませんでした。
絵柄は、少女マンガ風で、中年の私には合いませんでした。原作の挿絵の方が、私には、合っていました。このあたりは、好き嫌いが分かれるような気がします。
内容も、はしょったところがあり、ついていけませんでした。
「不思議の国」は「夢の国」 ★★★★☆
スピード感のある展開と濃厚なキャラたち。
訳は少し古く、おばあちゃんの昔話語り口調です。
わかりやすく意訳されているようです。
計算された言葉遊びは原文でないとわからないらしいです。
どこかでふと見た絵とか、この物語のワンシーンだったりします。
読む前は気付かなかったけど。
参考に『アリスの論理』(宗宮喜代子著)を読んでみようと思います。
空想は、最上級の文化。 ★★★★★
ナンセンス、言葉遊び、駄洒落などを上手に、自然な日本語に置き換える工夫をしているのがとてもよくわかりました。逆に、原文がどうだったのかを想像してしまいます。翻訳者はあとがきで、大人のため、中学生以上の人に読んでもらうための「不思議の国のアリス」だと書かれています。今回読み終えて感じましたのは、ディズニー・アニメの影響の大きさです。頭に残っていたのは、ディズニー映画の場面場面でした。今もって世界中の子供達ばかりか、昔子供だった大人達も魅了し続けるファンタジー。空想というのは、最上級の文化なのかな、という感じです。