「真・女神転生」シリーズのディレクター岡田耕始が、最も刺激を受けた作品『WIZARDRY』をベースに独自の解釈で再構築したオリジナル3DダンジョンRPGの第2弾。前作より100年前のドゥーハン王国が舞台となっている。
今回は人間やエルフなどの5種族に加え、オートマターと呼ばれる新種族が追加されている。オートマターは魂を持たない自動人形でレベルアップはしないがアイテムを使用してのカスタマイズによって強化されていく。またパーティ内の信頼度によって連携戦術が成長していくトラストシステムも健在。ほかにも死神システム、魔法石合成など新要素も加わっている。
今回も登場キャラクターは「探偵神宮寺三郎」シリーズや「バーチャファイター」シリーズの寺田克也氏がデザインし世界観の奥深さを如実に表現している。(林田信浩)
ふやけた「ウィザードリィ」が多い昨今
★★★★★
(前作含め)アトラスは間違いなくやってくれたと確信しております。こういった新しい再構築と構成こそまさしく「進化」と呼べるのではないでしょうか。
メインで進めていく上でどうしてもNPCメインになってしまう点もありますが、個性的なクラスも存在したりするので自分でキャラメイキングを楽しんだり育成する猶予が十分にあります。 また本作の目玉といえる「アレイド」によって戦闘に戦略性が発生しておりただ殴り合うだけでは強敵に勝てなかったり、「信頼度」が高ければコンビネーション攻撃がさらに増すなど工夫に溢れています。
従来のウィザードリィの良い部分を切り出してしっかり土台を固めたあときっちりと作ってみせる、そんな骨の太さを感じますね。 ロストやセーブのタイミングに気をつけてプレイすればウィザードリィ初心者もハマると思います。
ちゅーかアタシ自身女神とかペル以外の仕事でアトラスをこんなに手放しで褒めるのは久しいです。
「なんちゃって」ウィザードリィやるくらいならPS2立ち上げてコレプレイしてください。
かつて無い試練
★★★★★
「Wizマニアはキャラクター作成だけで1日使う」のは珍しくありませんが、この作品は更に上。少なくとも二週間は使うでしょう。その理由は、
「主人公作成時に最大30%でしか潜在能力が付かない」
からです。BUSIN0では主人公に前作のセーブデータ特典有りで潜在能力が30%の確率で付くのですが、この潜在能力が19種類ある上に、非常に有用なものから(竜狩人や悪魔狩人)、要らないものまで(異常浄化や魔法センス)用意されているので、好きな(有用な)潜在能力を得るまでかなりの時間が掛かります。しかも潜在能力の有無は中盤まで分からない…のはベスト版での話。
実はこの初期版では、隊列変更により経験値を入れ替えるバグがあります。それを使えば1人一時間半程で潜在能力の有無と種類をある程度特定出来ます。
BUSIN0では主人公がパーティリーダーとなる為に、凡人は避けたいところです。そう、BUSIN0に於けるエリートとは高ボーナスキャラクターではなく、有用な潜在能力を持っている冒険者を指します。極端な話、最大ボーナス90を出したキャラクターでも潜在能力が無ければ落ちこぼれ。逆に最低の10でも有用な潜在能力を有していればエリートです。これは能力上昇のSPを持つ品を盗める事であっさり埋まるのです。
BUSIN0では対竜や悪魔の武器に火炎属性が付いていたり両手持ちの上に命中率が低かったりと、「対種族」武器が非常に貧弱なのが特徴です。故に、通常の武器にキャラクターの潜在能力を加算する事でようやく対種族効果を得られます。
防御系統の潜在能力の価値が低いのはアレイドアクションがBUSIN0の要だからです。受けるダメージを2/10にしたり、一度だけ幻影が身代わりになったりと、防御力がさほど必要ない為です。
キャラクター作成に1ヶ月掛けてもいいと言う人には、最高の亜流だと思います。
ライトユーザーとしての評価も。
★★★☆☆
一応ライトユーザー向けの感想を。
ウィザードリーはファミコンで2作品くらいやった覚えがあります。
そこそこはまりました。
で、そのユーザーとしての視点でレビューも役立つかと思うので書きます。
全体的にややもっさりな展開が気になります。
戦闘でのコマンド選択が、雑魚戦では結構億劫になってきます。
また、エフェクトがちゃんとあるのですが、普通にプレイするには
エフェクトを切らないとテンポが悪いので、少々残念です。
エフェクト切ると一切動きのない、3Dの意味が薄い戦闘になります・・・
そしてその戦闘の繰り返しで序盤で飽きが来ます。
これを超えればまた楽しさが出てくるのですが、超えるまでに辛抱が必要です。
良い点としては、ファミコンなどでプレイした時より親切設計だと思いました。
雰囲気もなかなか良く出ていると思います。(若干ホラーよりの雰囲気です)
で、シリーズ未プレイの方であれば、逆にこちらから入って、昔の作品に行くと
入りやすいのかもしれません。
自分は特にウィザードリーシリーズが好きでやるといったプレイヤーではないですが、
昔の淡々としたウィザードリーの方が逆によかったのでは?と思ってしまいました。
でも奥は深いゲームですので、良ゲーである事は確かかと思います。
ダンジョンRPG好きなら買って損無し
★★★★☆
WIZに代表されるダンジョンRPGの中でも出来は最高峰と言って良い。
一部スキルが猛烈に強すぎるので、バランスを崩しているけど、
気になる人は使わなければ良い話。
あとストーリーを楽しむには、ゲーム内の登場人物を使わざるを得ないので、
純粋にWIZが好きで、自分でキャラをバリバリ作りたい人は、
ちょっと抵抗感があるかも知れない。
久しぶりにダンジョンに潜った〜と実感させてくれる良作でした。
最高のRPGの一つ
★★★★★
このゲーム、自分の中では真・女神転生Vと並ぶ最高のRPGの一つです。
WIZファンの方々(自分もWIZファンですが)からは、
『こんなのWIZじゃない!!』
っていう批判があるようですが、これはこれでちゃんとしたWIZだと自分は思います。
ダンジョンを探索してアイテムを回収し、街に戻って鑑定。
そして鑑定結果に一喜一憂。
これだけでもWIZの醍醐味を味わえる気がします。
まあ、ワザワザWIZとして考えなくても、オリジナルのRPGとして非常に良く出来てるとは思いますが。
基本的にメインキャラ以外にイベントは発生しないので、初プレイ時は途中で仲間になるキャラをパーティに入れない事をオススメしますが、ストーリーの不明な部分は自分流に解釈するゲームだと思うので、好きなキャラでプレイするのが一番かもしれないです。
戦闘に関しては、アレイド・アクションを駆使して敵のパーティに合わせた攻略法を見つけると、かなり楽に敵を倒せますが、ちょっとしたミスで簡単に全滅するので、緊張感のある戦闘が楽しめると思います。
地味でとっつきにくにゲームかもしれませんが、食わず嫌いのままにするのはもったいないほど
"味"のあるゲームなので、是非一度プレイしてほしいです。