この辞典に対する不満はかなりある。たとえば、該当する単語がどのような文型で使われるのかは、例文に目を通さないと分からない。また『中日辞典』にある「比較」のコーナーは、本来日中辞典にこそ必要な機能だと思うが、ない。日中辞典を引いた後で中日辞典を引かないと不安だということを時々耳にするし、私もそうなのだが、その点が改善されたとは思わない。
しかし、かといってこの辞書より優れていると明言できる日中辞典は存在しないので、不満はあるものの現時点では星4つ付けてもよいと思う。
ちなみに、帯に講談社の中日辞典の編者である相原茂氏が推薦の言葉を執筆しているが、何故小学館は中日辞典で敵対関係にあるはずの相原氏に依頼したのか、正直理解に苦しむ。しかも、この『日中辞典』に対する皮肉とも取れる内容なのに……