今回のアルバムでは、そんな彼女の持ち味が存分に出ている。しかも、全てがムーディで静かな曲というわけではない。例えば、2曲目の"summerfling"は、真夏の太陽が照りつける海岸ではしゃぐカップルの姿が目に浮かぶような元気な曲だ。とはいえ、詩を読んでみるとそんな楽しい日もやがては過去のものになる予感も表れている。逆に静かなメロディで、詩がとても情熱的な曲も多く収録されている。
燃え上がりそうな熱情の予感と、燃え上がった思いが、全体を通して感じられる。アルバム名である、"invincible summer"「どうにもならない夏」(とでも訳せるのだろうか)は、制御しようもないそのときの熱情を表しているかのように読みとれる。