甲州種の謎: 甲州種は日本原産ではなかった!
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甲州種は、とても謎に満ちた葡萄です。
この葡萄に思いをはせると、古代史の深い闇の中をさ迷うことになる。・・・さ迷ってみましょう。
甲州種は長い間、その出自が不明でした。ところが2013年。酒類総合研究所が、そのDNAを調べたところ、甲州種は日本原産の葡萄でないことを発見してしまいました。ヴィティス・ヴィニフェラ種(Vitis Vinifera)と呼ばれているヨーロッパ種だったのです。
もう少し正確に言うと。。ヴィニフェラ種のDNA75%と中国野生種25%のハイブリットなのです。
甲州種は古くから、今の埼玉県・勝沼域上岩崎と下岩崎で生食用に細々と栽培されていました。
そのルーツは、奈良時代の僧・行基が薬師如来から授かったものという説。あるいは平安時代末期に雨宮勘解由という人物が見つけたものという説があります。いずれも1000年も前の話です。
どちらの説を採ったとしても、つまり奈良・平安の御代から、ヨーロッパ種である「甲州」という葡萄が、この地にあったということになる。
いつ。だれが。どのようして。。ヨーロッパ原産の葡萄をこの地へ持ち込んだのか? まったく歴史の闇に紛れ込んで、直接的な資料は何もありません。
だから。。。何の縛りもなく、その伝搬ルートを思い描くことが出来る。