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ウィ・ウィル・ミート・アゲイン(SHM-CD/紙ジャケットCD)

価格: ¥2,580
カテゴリ: CD
ブランド: Warner Music Japan =music=
Amazon.co.jpで確認
最後のスタジオ録音でも貫いた、彼らしいジャズを追求する真摯な姿勢 ★★★★☆
2ホーンズを加えた本作品はエヴァンスの死の前の約1年少し前、彼の生涯最後のスタジオ録音作で、1年後の死を全く予想させないノリの曲・演奏が多い。他のレビュアーが指摘しているような寂寥感を私はあまり感じない(ラストのピアノ・ソロでのタイトル曲を除いて)。録音は先で発売は後になったユー・マスト〜の方がずっと寂寥感があり、まさに(スタジオ録音で)遺作とするのにぴったりである。本作で感じるのはホーンを加え、エレピも交えた重くないジャズを追求したエヴァンスらしい真摯な姿勢である。完璧ではない部分もあるが、標準以上の作品であることは間違いない。青い海と空を臨む窓の絵のジャケットは、その窓の向こうが清浄な天国で手前側がこの世をイメージしている、と捉えてしまうのは私だけだろうか。その窓から出て行った彼が遺した、本作を含む作品のどれもがいとおしい。

私はビル・エヴァンスがリーダーの作品は絶対にピアノ・トリオでなければ、という原理主義者ではないつもりだ。しかし、ワーナー時代の作品ではユー・マスト〜が素晴らしすぎる。ウィ・ウィル・ミート・アゲインもユー・マスト〜収録の演奏の方が感動的だ。私としては、クィンテットとトリオを比べるのはナンセンスかもしれないが、大傑作ユー・マスト〜との比較で本作の評価は星1個分低いものとなる。同じSHM−CDでもユー・マスト〜の録音状態の方が若干良好である(というかユー・マスト〜の録音が秀逸すぎる)ことを付言しておく。
「クインテット」での最高傑作 ★★★★★
 同時再発売となった「アフィニティ」のレビューで――
――別にビル・エヴァンスをトリオやソロの人、と断ずるつもりは毛頭無いが、実際問題としてCDを沢山聴いてきて、4人以上の編成で録音したアルバムには、美しいものはあまり無い。
すぐ思いつく例外は、せいぜい、ハービー・マン、ジェレミー・スタイグとの共演盤くらい。
そんな中、トゥーツ・シールマンス、そして、ラリー・シュナイダーと組んだ本作は、別格的な例外――
 と書いたが、続くワーナー移籍第三弾も、特例第二弾と相成った。
 本作は、サックスとトランペットを加えた、典型的な「ジャズの」グループ・フォーマットだが、ホーン・セクション二人のソフトでまろやかな新感覚プレイと選曲、そして引き続くエレピの活用で、ありきたりのハード・バップ系ジャズ・セッションとレベルを異にする傑作となった。
 ジョー・ラバーベラがドラムの椅子に座り、いわゆる「ラスト・トリオ」となって最初(で最後のスタジオ)の吹き込み。エヴァンスのやる気も横溢していたのか、収録時間も一時間を越えている。
 オリジナルの「ビルズ・ヒット・チューン」は、タイトルのセンスこそ「どうにかしてほしい」だが、メロディもエレピ/サックスの演奏も最高だ。
 最後の契約レコード会社、ワーナー時代の6作品は、すべてが大傑作にして必聴盤だとおもう。スコット・ラファロとのトリオだけがエヴァンスじゃないんだ!!
寂寥感あふれるラストアルバム ★★★★☆
ビル・エヴァンス最後のスタジオ録音。ファンタジー最終作"I Will Say Goodbye"に続くワーナー移籍後の、"You Must Believe In Spring","New Conversation"に続く第3作目。所謂ラストトリオ、Marc Johnson(b),Joe LaBarbera(ds)との最初で最後のスタジオ録音でもある。Tom Harrell(tp),Larry Schneider(ts,ss,a-fl)を加えたクインテット作品となっている。何か「最後」と言う言葉がやたら出てくる作品だ。ジャケ写の雰囲気からしても、もう"行っちゃてる"と言うか、どこか現世を突き抜け別世界にたどり着いたようなエヴァンス独自の境地が展開される。もうどこにもギラギラとした処が感じられない。エヴァンスのピアノはどこまでも美しいフレーズを求め、バックのサウンドもひたすらそれに追随して行く。昔のようなインタープレイの緊張感はもうどこにも求めようもない。だがこの達観したジャズもどこか胸に迫ってくるものがある。あの"New Jazz Conception"から始まり、"Portrait In Jazz"でブレイクし、"Sunday At The Village Vanguard","Waltz For Deby"で花咲き、次々に名盤を生み出したビル・エヴァンスのジャズが、遂にここにその大円団を迎えようとしているのだ。艶を添えるホーン陣の寂寥感溢れるプレイを聴いているとひしひしと切なさが増してくる。ひたひたと迫り来るビル・エヴァンスの最期に一束の花をたむけたような作品だと思う。1979年8月6、7,8,9日NYCでの録音。裏ジャケには痩せこけ目もくぼんで生彩を欠くこの頃のエヴァンスの写真がある。だが彼にはラストトリオと翌年!の6月、Village Vanguardでの最後の公式ライブ"Turn Out The Stars"を録音する余力がまだ残っていたのだ。
この叙情溢れる寂寥感は一体何だ。 ★★★★☆
ビル・エヴァンス最後のスタジオ録音。ファンタジー最終作"I Will Say Goodbye"に続くワーナー移籍後の、"You Must Believe In Spring","New Conversation"に続く第3作目。所謂ラストトリオ、Marc Johnson(b),Joe LaBarbera(ds)との最初で最後のスタジオ録音でもある。Tom Harrell(tp),Larry Schneider(ts,ss,a-fl)を加えたクインテット作品となっている。何か「最後」と言う言葉がやたら出てくる作品だ。ジャケ写の雰囲気からしても、もう"行っちゃてる"と言うか、どこか現世を突き抜け別世界にたどり着いたようなエヴァンス独自の境地が展開される。もうどこにもギラギラとした処が感じられない。エヴァンスのピアノはどこまでも美しいフレーズを求め、バックのサウンドもひたすらそれに追随して行く。昔のようなインタープレイの緊張感はもうどこにも求めようもない。だがこの達観したジャズもどこか胸に迫ってくるものがある。あの"New Jazz Conception"から始まり、"Portrait In Jazz"でブレイクし、"Sunday At The Village Vanguard","Waltz For Deby"で花咲き、次々に名盤を生み出したビル・エヴァンスのジャズが、遂にここにその大円団を迎えようとしているのだ。艶を添えるホーン陣の寂寥感溢れるプレイを聴いているとひしひしと切なさが増してくる。ひたひたと迫り来るビル・エヴァンスの最期に一束の花をたむけたような作品だと思う。1979年8月6、7,8,9日NYCでの録音。裏ジャケには痩せこけ目もくぼんで生彩を欠くこの頃のエヴァンスの写真がある。だが彼にはラストトリオと翌年!の6月、Village Vanguardでの最後の公式ライブ"Turn Out The Stars"を録音する余力がまだ残っていたのだ。
エヴァンスがやりたかったことって... ★★★★★
エヴァンス最晩年期の録音である。リズム隊の二人について、彼はラファローモチアンと同格と絶賛していた。エヴァンスのリーダーアルバムでフロントにラッパが入ったものといえば、interplayでのフレディ.ハバード以来ではないのか。interplayはラファロ-モチアンのリズム隊ではなかった。

フロントを張るトム.ハレルとラリー.シュナイダーは、70年代後半にホレス.シルヴァーのバンドでも共にフロントを張った正統派。トムはAffinityでも一緒だったラリーが連れてきたのだろうけど、この孤高の名手とエヴェンスの相性は素晴らしく良い。

全てのトラックがクインテットというわけではないのだが、やはり、彼に最高と思わせたこのリズムチームで、管を入れるという宿題をやりたかったのではないかと。その宿題の出来は素晴らしい。プレイヤーを志す人にも非常に勉強になるアルバムだと思います。