実際のトレーニングということに重きをおいた本書は、「基礎編」「実践編」「応用編」の3部から構成されている。基礎編では、「とか」弁や多用しがちな「あれ」という言葉など、日常生活でよくみられる言葉の使い方とその問題点を提示。子どもが幼児の時は、親が本を読んで子どもとの会話を見直し、子どもが小学生以上の場合は親子で一緒に読んで話し合ってみることが望ましいという。
実践編では、著者が開設した言語技術教室で実施されている「問答ゲーム」を紹介。「好きですか。きらいですか。」といったお題に対して、遊びながら論理的な問答の技術が身に付けられるようになっており、応用編は、伝言の仕方や道案内の方法といった実際の生活シーンにおいてのトレーニングとなっている。
イラストと具体例が多用されているため、とても分かりやすく、いますぐ実践できる内容ばかりである。この本のトレーニングを実践することで、家庭におけるコミュニケーションは、より豊かで充実したものになるに違いない。(小山由絵)