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モザイク (幻冬舎文庫)

価格: ¥630
カテゴリ: 文庫
ブランド: 幻冬舎
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引きこもりのカウンセリングレポート ★☆☆☆☆
14歳の引きこもり少年と、彼を病院に移送しようとするミミという若い女性の係わり合いが中心になっています。
読んでいるうちに、段々不愉快になって、読了するのに苦労しました。あまりにも自分勝手な少年の発言と、それに同調するミミに呆れてしまいました。例をあげるとー
「誰も僕を理解してくれない」ーこんなせりふを電磁波の影響などと言わないように。電磁波があろうがなかろうが、何百年も前から、ちょっと生意気な思春期の少年が言ってきたせりふです。
「母親が俺の言葉をねじ曲げた。欲しいものがある時は、くださいと言わなければならなかった。俺は欲しいんだ。くださいじゃない」ーわたしも、小さな子供に「ください」と言うように教えてきました。社会生活の基本です。試みに、彼の言う通りにしてみましょうか。
「僕、ジュースが欲しい」
「ふーん」
END OF CONVERSATION
こうならないために、母親は、最小限の社会生活のマナー、つまりはサバイバルのテクニックを教えようとします。その両親をののしり、自分の部屋に閉じこもり、本は疲れるから読みたくなく、マンがとアニメに没頭し、犬や猫を捕まえて殺し、その舌を塩漬けにして保管する・・そういう少年を「繊細な心を持つ」「新しい情報社会のニュータイプ」「救世主」などと言われても納得できません。
この作家は何か勘違いしているように思います。コンピューターを持たなかった、たとえば奈良時代の人間は、情報量が少なかったと、そう思い込んでいるようですが、情報とは、コンピューターや携帯電話で伝えられるものばかりではありません。
著者の言う、「我々は世界の一部だ」「人間は感情の動物だ」「同じ波長を持つ人間と共振する」などは、目新しい思想どころか、きわめて当たり前のことと思います。
シャーマニズムに関心のある作家という評判で読んでみましたが、期待はずれでした。シャーマニズムは、わたしの理解する限り、こんなセンチメンタルな思想とは無縁のものです。
ソーシャルワーカーや、青少年カウンセラーなどには役に立つかもしれませんが、それ以外の方にはあまりお勧めできません。
3部作の最後を飾るのにふさわしい作品 ★★★★☆
「コンセント」「アンテナ」「モザイク」と、主人公が女性、男性ときて、最後は女性となった。正直、「コンセント」の主人公が非常に田口ランディのイメージに近く、インパクトがあったので、続く作品の主人公がどうなるのか不安だったのだが、「アンテナ」「モザイク」共に興味のわく人物像であったので、楽しめた。

私がこの本で一番興味を感じたのは、身体を研ぎ澄ます事で大容量の情報がコントロール出来る様になるのではないかという可能性だ。
作者が書くように、ここ近年で、情報の質と量が大きく変わってきたのに、人間のOSはなかなかバージョンアップされていない。
また、バージョンアップされたとしても、初期不良が多々起きるのだろう。

その中で、身体の研ぎ澄ましを行う事は、初期不良を乗り越えるのに大きく役立つのではないかと思った。
PCの世界は文章から画像、音声、動画と進み、様々な形式を持つことで、情報量の増加を加速化してきた。が、それと同時に、受け止める側が情報を前面で受け止める事に腐心し、薄っぺらくなってきている気がするのも確かだ。
身体全体で「聞く」事が出来る様になれば、全人性は回復し、雷同不和により安定性を得るよな安易な真似をしないで済む様になるのかもしれない、との希望を感じた。
(この本の真のテーマとは少し離れるような気もするが)

興味が湧いたのが、もう一つ。この作家の作品レビューに対しての評価の片寄りだ。
肯定的なレビューに対して、「参考にならなかった」票が多く集まっている事。
他の作家では見られにくい現象だ。
好印象・悪印象どちらであっても、心の深い琴線に触れる作品を提供しているという事が、作家の力なのだろうと思った。
ベストセラー欄で、ついジャケット買いをしました。 ★★★★☆
店頭に於けるベストセラー欄を見て、ついジャケット買いをしました。主人公は
プロの女性移送屋に請負として挑戦する、自衛隊上がりのミミです。引き
こもりの少年、正也の移送を試みるこのミミのわずか数日の物語からは、登場人物の
主観とともに美しい渋谷らしさを読み取ることができました。


なんとも・・・ ★☆☆☆☆
コンセントは面白かった。アンテナもまあまあ面白かった。
しかし、この作品は・・・

まず、全体に渡って同じことの繰り返しが目立つ。
それと理屈が多すぎる。

そして致命的なのがラスト。

あまりにもインパクトがなさ過ぎる。
コンセントのラストが好きなひとには拍子抜け間違いなし。

資料を読みすぎてそれをすべて作品で吐き出そうとした無理が目立つ作品である。
前2作に比べると著しく劣る ★★☆☆☆
『コンセント』、『アンテナ』の前2作に比べると著しく劣る。
携帯電話、電磁波、新興宗教、引きこもり、児童虐待など、現代の諸問題を強く意識しているが、どれも消化しきれていない。
何より、小説としての起伏に乏しく、読後のカタルシスも薄い。
作者がこの小説で描きたかった世界を評価しつつも、実際に描けた小説が頭でっかちで、描きたかった世界を十分に描けたとは言いがたい。