意外と忘れている真実に気づかせてくれる本
★★★★☆
本書はソフトウェア開発について55の真実と10の嘘について解説したものです。
ソフトウェア開発のエンジニアリングは歴史が浅いので当然、いままでの経験による
著者が見つけた真実となります。
ただし、その解説にはきちっと証拠となる文献とのせ、読者が自分でかんがえて比較できるように
きちんと反論ものせています。
本書を読むだけでソフトウェア開発のスキルがあがること間違いなし。
参考文献も豊富に記載されているのでこれをもとにさらに勉強することもできます。
本物を見抜く
★★★★☆
私がソフトウェア開発で実際に体感していることを真実として、
多く取り上げられていたので共感できました。
また、その真実を具体的な数値で示しているところが参考になりました。
世の中には「真実」と「ウソ」の情報が満ち溢れています。
それを見抜く力を少しばかり得られました。
信用度の高い研究をしてきた人の名前が列挙しているところなど、
著者の本物を追求する研究の成果ではないでしょうか。
私がもっとも参考になった真実を一つあげると、
「ソフトウェアの開発ライフサイクルは、20・20・20・40」というものです。
ソフトウェア開発の暗黙知を明文化
★★★★☆
ソフトウェアを一から開発するときにその技法、技術について自分がどれだけ知っているか、知らないことがどれだけあるかを学びたくて購入。
通読してみると、ソフトウェア開発について、PMから要求仕様書作成や、コーディング、テスト、運用までライフサイクル全体にわたっての問題、定説などを開設してくれている。全体を問うして認識させられたのは、プロジェクトマネジメントなどの技法では、メジャラブルな情報で管理するというのが基本でそれは間違いないと著者も述べているが、実際にはプログラム、ツールの複雑性の濃度、生成物の分野の複雑度、人の能力の違いなどにより均一的な管理を前提としたマネジメントは難しいと述べられている気がする。また、本書の中にはそれに対する根拠も数多く提示されている感がある。おもしろかったのはインスペクションに対する評価だ。開発工程の中でウェイトを置くべきものというイメージはなかったが、本書を通して価値を再認識できた。
ソフトウェアを開発する上で識者たちが培った忘れがちな暗黙知にあたる内容を明文化してくれている書籍だと思う。
一人の技術者としての魂
★★★★★
→ソフトウェア開発に対して問題提起をしている本です
その問題提起は、経験から発想した単なる思いつきではなく
経験を通しての詳細な観察、追求に追求を重ねた文献研究から
導き出されたものであるため
それぞれが磨かれた宝石のようにキラキラしています
→問題提起だけではありません
その問題に対する自論だけでなく
想定される反論についても、
著者自身が仮説を立て提示しています
→管理者視点の問題提起も面白いですが
開発者視点の問題提起の方が生き生きと筆が踊っています
著者が大学に移ってからも忘れなかった「一技術者としての魂」が
そうさせているんだと思います
→私が特に、議論したい真実はこれ
「仕様設計フェーズから設計フェーズに移るとき
膨大な数の派生仕様が生じる。
これは、問題解決プロセスが複雑なために発生するもので、
この設計仕様の量は、元の仕様の50倍になることもある。」
(P124)
..誰かといつか、議論したいものです
→「多くの目にさらせば、バグは枯れる」(P276)
これは、10のウソの中の1つです
反論..できますか?
ソフトウェア開発に携わる方は必ず読むべき名著
★★★★★
この本のポイントは,2つ
・普通の、そして現場で働いている人が実際に感じるという意味で議論の価値がある問題を提起し、さらに非常に納得行く形で、問題を明文化していること
・ 問題に対する真実やウソの評価のための議論において、著者の意見の言いっぱなしジャーマンだけでなく、ソフトウェア工学の論文や過去の名著をきちんと参照していること。
あなたがソフトウェアの開発に携わっている方なら、まずは,自分が感じる問題があるか眺めて見よう.必ず壷にはまる問題を見つけることが出来るはずだ。
その次に本当にどう改善したいのかを考えた時に、この本を読み込もう。さらに議論を深めたいなら、この本が参照している論文や名著を探ろう。
個人的に,もっとも影響を与えている本の一つ.お勧め.ついでに訳も最高に良くこなれている。