主人公の美しいシャーラザードが女性不信で毎晩殺戮を繰り返す王を、
面白い話しを千一夜聞かせることによりなだめ、その妃になるというお話。
有名な「アリババと40人の盗賊」や「アラジンと魔法のランプ」、
「空とぶ絨毯」等の話しも含まれている。
シンドバッドの冒険の話に戻ると、この話は本当に冒険心をくすぐるお話
である。しかし、どこか悲しく不思議である。世界中を旅しいくつもの
危険を乗り越えている男シンドバッド。そこで語られる世界はとても、
奇抜で私たち現代の日本人が思い描く世界とは似ても似つかないものが
あるかもしれないが、それはもしかして当時のアラビア人の心の中には
活き活きと存在していたのかもしれない。
私は悪魔の羽を持つ男たちのいる国のお話が怖くて気に入ったが、これは
心のたびの話として読めるかもしれない。
大人にもお薦めのお話である。