インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

裏と表 (幻冬舎文庫)

価格: ¥680
カテゴリ: 文庫
ブランド: 幻冬舎
Amazon.co.jpで確認
金券ショップ。 ★★★☆☆
金券ショップを開店することになった樋口正志は、
偽造チケットや盗品をたまに取り扱ってはいたが、
それでも比較的まともに商売をしていた。

しかし、親友の頼みで、
選挙のための裏資金作りに協力したのをきっかけに、
さらに深い計画へ足を踏み入れることになっていく・・・。


友人、男、女、経営者、裏の人物などが、
お金への欲望とともに絡み合い、
物語は展開していきます。

前半では、金券ショップの仕組みや、
そこに集まる様々な人々が描かれており、
とても勉強になります。

後半に入ると、
話が大きくなりすぎ、
リアリティをあまり感じませんし、
説明不足というか、
息切れしたような印象を受けてしまいました。

文章は淡々と書かれており、
登場人物に個性のようなものはあまり感じません。

もう少し物語の規模は小さくてもよいので、
身近にありそうな裏社会の内容で描いてもらいたかったです。
(著者の書く作品はこういったものが多いようなので
 仕方ないのですが)
ちょっとだけ救われる ★★★★☆
金券ショップのオーナー樋口。親友の高瀬に頼まれ、マネーロンダリングの手伝いをする。金に取り付かれた大企業の幹部、それに巻き込まれた複数の人物。話が進むにつれて、金の単位がどんどん大きくなる。
 この筆者の話は、いつもダーク。そして展開がスピーディ。金に取り付かれると、大事なものを失う様子が見事描かれている。
 でもこの話の最後は「愛」が残ったりして、少し救われる。
裏はさらに深い裏をも含む ★★★☆☆
表のチケット屋を営む主人公、商品は裏の道から入ってくる、その裏の複雑なことは裏を知ってしまうことに喜びを感じてしまうほど。さらに深い裏(闇)は主人公の友人が関与し、それはあまりにも怖い世界がひろがっていく。以前チケットショップを利用したことがあるがこんな裏があるなんて!。

作者にして登場人物が日本人であることに注目、ただ、情欲の深さは「睡魔」や「Z」、大作「血と骨」にも通じるがどうもこの作品ではこれまでに比べるとどろどろさがまだ足りない気がするのはわがままな発言か。

最後の2ページ、女の業の深さを思い知ることになる、それは読まなきゃわからない。タイトルはあくまでもメインが「裏」であることを楽しみたい。

あっさり味 ★★☆☆☆
過去のヤン・ソギル作品特有のアジアンテイストを期待してはいけない。
非日常的な巨額のマネーロンダリングの方法と舞台、それを取り巻く人物の背景となれの果てを描いている。
作品自体も登場人物もくせが少なく短時間で読み終えてしまった。
ヤン・ソギルとは思えないあっさりした作品。
長編は苦手、という人にはお薦めですです。
闇の文字が良く似合う最近の経済小説 ★★★☆☆
 ここのところ日本作品は冒険小説というより、経済小説と言ったほうが良さそうなくらい、この手の本が売れている。白川道などは、『流星たちの宴』で先物相場の世界を描き鮮烈デビューを果たしたけれども、思えばギャンブル放浪記でもある『病葉流れて』だって、大河ロマン『天国への階段』だって、経済小説として読める。作家的原点がもろに経済なのだ。

 新堂冬樹となるとこれまた闇金融の世界から出てきた作家で、非常に怖い世界を描きつづけている。奥田英朗の『最悪』などは、中所企業主の自転車操業がどんどん出口の無い方向に追い詰めらてゆく過程を事細かに描くことで成立しているようなもの。他にもノワールに近い話などでも、どこかで経済小説の匂いがしてくる作品は最近大変に多い。但し「闇!!」とか「裏」とかいう文字を冠詞として付けた経済小説。

 さてその「裏」を書かせるとなかなかに鋭く、思えばどの作品も経済小説と読めなくもなかった梁石日。そのまさにタイトルが『裏と表』。前作『睡魔』では自己啓発セミナーでの資産吸い上げシステムを描き、今回は街でよく見かける金券ショップをだしに使っている。但し、だしであってメインストーリーではない。物語は、前半確かに金券ショップの経営の裏表を活発に描いて、いつもの梁石日小説の元気さ、力強さなどが感じられるのだが、物語は実はとんでもない方向にエスカレートしてゆく。

 その中で金券ショップは闇経済の環の中の一つのギアのような役割を果たしているかに見えてくる。主人公がコリアンでないことに珍しさを覚えていたのだが、な!!るほど話の進展と拡大につれて誰が主役かわからなくなってくる。相変わらず自由度の高い書き方だが、最後には取って付けたようにサイドストーリーが明かされる。こんな話は不要だったとも思えるし、ラストが切なくていいようにも思える。いずれにしたって、多重性の小説家として捉えるべき梁石日の独自性と言えるだろう。