ヌーヴォー・セルクル賞、アンバサドゥール賞を受賞
★★★★☆
下巻は、1675年から死の直前まで書かれている。モンテスパン夫人の失寵、王妃マリ=テレーズ死去、非公表の結婚、そしてルイ14世の死。
監獄で生まれ、小さい頃は物乞いまでしたことのある彼女の激変する境遇をたどりながら、コルベール、ラシーヌ、ボシェ、フェヌロン、セヴィニエ夫人といった有名人達、十七世紀の様々な社会階層、ボワトゥーの田舎、西インド諸島の入植地から宮廷までを見事なまでに小説化している。マリー・アントワネットほどではないけど、随所に出てくるブルボン王朝の愚劣さに辟易もするけどね。
「最も烈しい毀誉褒貶のまとになる女性」(ボードリヤール)