身体の底から沸いてきた言葉がしるされています
★★★★★
子供の頃の自由でナチュラルな思考を思い出し、自分が大人になったことを
再認識させられる一冊でした。
77歳の谷川俊太郎氏が子供の言葉で生を語るとき、その言葉は頭からではなく、
身体全体や足元からわいてきたそうです。詩の一言一言が日頃すれ違ったり
見かけたりする高校生や小学生、幼児達の頭の中をそのまま書き写したかの
ように感じます。
こういうのをインスピレーションと言うのでしょうか。ロビンウィリアムズ主演の
『いまを生きる』(Dead Poets Society)で目を手で覆われた生徒が、暗闇の世界で
詩を語りだす感動的な場面を思い出しました。
子どもの頃って子どもなりに色々考えてたよね・・・ってコトを思い出します。
★★★★★
作者谷川俊太郎氏は、はじめ、自身が子どもたちに向け遺言を書くという発想だったらしい。
しかし、死からはるかに遠い子どもが大人に向け遺言する方が切実だと考え、このタイトルにしたとのこと。
一番始めの詩は、生まれたての子どもからのメッセージ。
「いまからぼくは遺言する」 の一文が、胸に響く。
詩とともにページを飾る写真もインパクト大。
日常を切り取ったような自然な写真が素晴らしい。
作者・写真家ともに充分「大人」なのに、子どもの目線と感性で、その年の頃を思い出させる仕上がりは、2人の力量を感じさせる。
生まれたての子どもから成人式を迎えるまでの子どもたちの身になって書かれた12の詩。
子どもの頃の自分を思い出します。
0〜20歳それぞれの子どもの気持ち
★★★★★
自分の娘よりも小さい子の詩は、まるで自分の娘が話しているかのようで
涙が出てしまいました。
でも自分の娘よりも大きい子の詩を読むと、いつの間にか忘れていた
子ども時代の自分自身を思い出します。
親の気持ちと子どもの頃の気持ち、両方を感じられる不思議な本です。
目次:
生まれたよ ぼく
平気
もう まだ?
おしっこ
一人きり
幸せ
走る
もどかしい自分
いや
ゆれる
きみと
ありがとう