そう簡単にひとりにはなれない
★★★★★
人生って苦しいでしょ?いろんな人とぶつかって。いろんなことにぶつかって。「もういや!」「ひとりいして!」「かまわないで!」そう思うこともあるでしょ?でも、そういうわずらわしさの中にこそ、「生」があるのかもしれません。
誰かといたいときに
誰もいなくって
独りでいたいときに
人ごみから抜け出られない
でも
それが
生きる
ってことだから。
喜びや悲しみ、苦しみや希望、そんなこんなひきこもごもですが、たった一ついえること。それは、「生きる」ってなんだろうって考えているとき、まちがいなく、あなたは生きている。そして、この本を手にとって読んでいるとき、どんな気持ちが心に湧いても、やっぱりあなたは生きている。
どこかの
だれかの
あのときの
生きる
をどうか読んであげて下さい。それがその人の「生きた証」だから。
生きる―わたしたちの思い〈第2章〉
★★★★★
二冊目も期待を裏切られることはなかった。
ひとつひとつの詩には意外性はないけど、はっとするような新鮮さがある。
それだけたくさんの「生きる」があるということ。
今この瞬間瞬間、ひとりひとりに、それぞれの「生きる」があるということ。
持っているだけでも熱い気持ちになってしまう本。
疲れた時にふと開きたくなる本。
短いコトバにこめられたたくさんの思い
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小学校を卒業するとき、先生の提案からみんなで暗唱した「生きる」。
その詩の続きを、mixiの「谷川俊太郎」コミュニティのトピックで
今度はファンの人たちが書き綴ることになりました。
実は私もその一人。
今回出た2冊目の本の1ページに加えていただきました。
トピック上では1行しかなかった「詩」もありますが、
この本のために書き加えられたエピソードに彩られ、
参加者が自分で撮影した写真をつけたものもあって、
モニタでは見えなかったたくさんの思いが胸に迫ってきます。
詩の連作というより、短編集のよう。
読んでいるうち、なんだかほんのりしちゃいました。
100人の仲間たちが詩集にこめた人生模様
★★★★☆
谷川俊太郎が書いた「生きる」という詩をお手本にして、一般の人々が書いた自分にとって「生きる」とはどういうことかを綴った連作詩集です。
この本の生みの親になったのはもちろん谷川氏の詩ですが、一般の人々が自分の思いを本としてまとめるきっかけになったのは、mixiのコミュニティでした。mixiの谷川俊太郎コミュニティで、「みんなの『生きる』をつなげていこう」という試みがはじまったのは、2007年10月のことです。
毎日、参加者の誰かが生きるとは何かを見つけて詩を書き込みます。多くの人が書いてくれた内容を元に、昨年8月に『生きる わたしたちの思い』という本が出版されました。その第2弾が本書で、まだ出版したてのホヤホヤです。
2000通の投稿の中から100通を選び、一人ひとりに確認のメールを送った編集者は、返信メールを読んで胸を打たれたといいます。それぞれの詩の背景に、思いもよらぬ深刻な事情が隠されていることがあったからです。
インタビューに答えて、編集者は次のように語っています。
「生きることは楽しいことばかりじゃない。
むしろつらいことのほうが多いかもしれないけれど、
みんな、誰のせいにするでもなく、
自分と向き合って生きているのです」
編集者が惚れこんだ作品は、いざ出版してみると、詩集としては異例の7万部のヒットとなり、感動の波紋が静かに広がりました。
第2弾の本書の内容は、「より深く、より広く、より濃くなっています」とのこと。
100人の作品から、1つだけ引用させていただきます。
ずっと友だちでいよう
そう言ってくれる友達がいること
この方はあまりたくさん友達がいません。
友達づくりがうまくないという、という人だからこそ、
友達のいるありがたさが心にしみるのでしょう。