圧倒的な暴力
★★★★★
いよいよ残すところあとわずかに至った『15×24』。
linkfiveの口絵は、女子5人が楽器を演奏する楽しげなシーンですが、それとは裏腹に物語はよりダークな方向へ走っていき、暴力のかけらが噴出してきます。
ある者は絶対的な武器を手に入れ、ある者は東京の奥底に眠る神話を垣間見、またある者は暴力に遭遇します。そして、殺人鬼・ファブリが本格的にその姿を表し、全面対決へと向かいます。
linkfiveではレイプによる心的外傷や不倫関係などライトノベルではあまり扱われていなかった内容が多く含まれています。もうそこまで行っちゃうとライトノベルじゃないのではないかと思いますが、特に過激なわけでもなし、『15×24』は最初から片足を一般文芸に突っ込んでいるようなものなので全然問題ありません。
そんな絶望的な状況の中で、登場人物達はそれぞれの希望を掴み「明日」=2006年の1月1日に向かっていきます。果たして本当に全員が未来に到着することができるのか? それの解決は完結編であるlinksixに持ち越されます。なので、同時発売のlinksixも買って、一気読みすることを本当にオススメします。