ガマの王子はわがまま王子
★★★★★
本作は、2004年に上演された後藤ひろひとさん舞台『MID SUMMER CAROL ガマ王子VSザリガニ魔人』の脚本を原作に小説に編成し直した作品で、2008年に『パコと魔法の絵本』のタイトルで映画化もされています。
心臓を患っている大富豪大貫は、周囲の人間を罵倒しつくす、本当に嫌なジジイ。まさに『クリスマス・キャロル』のスクルージ。
そこに登場するのが、変わった病院のスタッフと患者たち。と、交通事故で一日しか記憶が持たなくなってしまった少女パコ。
彼女の存在が大貫にもたらしたものは−。
映画を見てから小説を読みましたが再度ジーンときました。
ドタバタの喜悲劇なんだけど、人間がいつでも変われるというのを信じれそうな気がしてきます。
大貫にとってのパコ、パコにとっての大貫、室町にとってのタマ子、タマ子にとっての室町。
人が人にしてあげられたり、残してあげたりできることって素敵だなと思いました。
スッキリと短くまとめられていて、オススメな作品です。
絶対本がいい!!
★★★★★
小1息子と小3娘に読みきかせをしました。
いつまでも主人公であるはずのパコがでてこないので、はじめは「パコはまだでてこないの?」と何度も聞かれてしまいました。
パコが出てきたあたりからは2人とも超集中して聞き入っていました。
ちりばめられた笑いとストーリーの悲しさと映像が浮かぶようなお話の世界を楽しみました。
同じくらいのお子さんのいらっしゃる方でちょっと長めの話を読みたいという方にはオススメの本です。
本を読んで、DVD鑑賞しましたがDVDでは、本での楽しさは感じられず(期待しすぎ??)やっぱり映像より想像の方が楽しいのだなあと思いました。
奇妙な世界の感動モノ
★★★★☆
映画の映像が印象にあったのだが、それとは全く違う不思議な印象を受ける本でした。
病院の中の不思議な人達が繰り広げる物語。
色彩鮮やかな世界が広がるわけではなく、色彩鮮やかな登場人物といった感じ。
偏屈親父が一人の少女によって劇的に変わっていくお話。
劇的過ぎてついていくのが大変。
でも素敵なお話。
大人になったひとが読む本です。
★★★★★
子供向けのファンタジーかと思い、読むのを躊躇っていたのですが
内容は大人になったひとが読むものでした。
自分に子供がいたらきっと読み聞かせたくなる本ですね。
誰しも人間だから間違いは犯すけれども
涙を流し、後悔をして、少しだけ成長とともに正しくなるんだと思います。
心温まる話
★★★★☆
それほど難しい文章でもなく、話も分かりやすい。しかし内容は驚くほどにハートフル。児童書としても優れているのではないかと思う。幼稚園児がスラスラ理解できたら怖いけれど(笑)
自分が教師だったら読書感想文の推薦図書にしたいくらい。年代を問わずに好印象を持たれる作品だろう。