空を見つめて
★★★★☆
色々なとこでストーリーの当てはめ方にうーんとはなったけど、個人的には良かった。中3というにも首を傾げたけど必死になって考えたり、悩んだりが描かれていた。
終盤は砂糖菓子の弾丸を思い出しながらやられた。
解説で川上健一が言ってたよーに読み終えたら爽快感が漂う、それ以上は要らない。
本当にいい本なので、オススメしたいです。
★★★★★
3人の少年がトライスロンリレーを通して、少しオトナになるという物語です。
ピュアな心情、感情がむき出しになったり、心の奥に沈んだりという思春期特有の心の揺れが
上手く描かれている作品だと思います。
私はハードカバー当時のこの作品を買いました。
とても良い作品だと思いましたが、近所の書店では見かけず
また、文庫になる兆しもなく大変残念に思っておりました。
今回、文庫になり、多くの読者の方に手に取っていただける機会が増え
良かったなぁと思います。
少年たちの織り成す物語の世界に思いっきり入り込んで一気読みして下さい。
友情とか青春、汗や涙に正面切って向き合う、そんなちょっぴり青臭い感じもまた良しです。
読後には、爽やかさと感動が心に残る・・・と思います。
少年少女にはもちろん、大人にもオススメの1冊です。
本当にいい本です。
最後の1ページに友情を感じてください。
★★★★☆
市町村合併を控えた茨城県(推定)のある村を舞台に,中学生3人組がトライアスロンに挑む過程を通して,友情のカタチを問う物語。
はかったように敵キャラが現れて,それに向かって強引に勝負を仕掛けるあたりはまさに少年漫画的。レースのシーンが終わるところまでは予想通りの展開ですが,そこは現代の小説,これだけでは終わりません。
レース後に3人に与えられる出来事と,そこから立ち上がるまでの流れは,涙をこぼす人も出てくるでしょう。最終ページの優太のセリフ,彼から直接言われているような気がして,妙にジーンと来たっす。
最後の30ページあまりで,ありがちな青春小説という印象をひっくり返して,お釣りが来たような読後感でした。
じんわりと胸にしみます。
★★★★★
トライスロンというスポーツを経て
少しずつ大人になっていく3人の少年の物語です。
読み進むほどに作品の世界に入り込み
あたかも自分の同級生の織りなす物語を横で眺めている様でした。
少し生意気な、未完成な少年たちの世界は本当に爽やかです。
今、そんな季節にいる少年少女だけでなく
かつてそんな季節にいた大人にも楽しめる1冊です。
これは冒頭からラストまで一気に読み
読後に湧いてくるしみじみとした感情を噛み締めていただきたいです。
心をさっぱりと洗いたい方にお勧めです。空をつかむまで (集英社文庫 せ 4-3)
やっぱり関口尚はすごい
★★★★★
読んでいると邪まな思考が矯正され、魂が浄化されていく感動が味わえました。
作者はストーリーよりも文章で読ませる作家のようで、三人の少年たちの葛藤や喜びが伝わって瞼が熱くなりました。中高生向きの小説として売られているみたいですが、世代を超えて心を震わす感動作です。逃げ水の中を走る少年の汗が眩しく見えるような、ひと夏の青春譚。傑作です。