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システムの科学

価格: ¥2,100
カテゴリ: 単行本
ブランド: パーソナルメディア
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   システムについての議論はどこまで進化しているのか? 自然界における事象を単純なモデルとして置き換える作業から始まったこれらの議論は、より複雑なものを取り扱うことができるように進化を続けてきた。自然現象のみならず、経済、社会などの人間活動から生み出される世界についても多くの議論が続けられているのが現状である。

   本書はシステム(原題では人工物)について、その可能性と本質について論じたものだ。本書で定義される人工物とは人間が何らかの恣意(しい)をもって構築したものすべてである。すなわち工学的なマテリアルやシステムはもちろんのこと、経済や企業などの特定の目的をもつ組織も含まれ、認知心理学、経済学、工学的デザイン論を通して人工物の科学の本質を明らかにしている。著者は政治学、経済学、コンピュータ工学など広範な分野に精通しており、その豊富な見識を駆使して本書を書き上げている。多岐にわたる話題についてどのようなアプローチがいままでに試みられ、そしてそれらがどのような成果を出し、またどのような意味があったのかを分析し、解説し、そして結論づけることを試みている。われわれが作り出すすべての人工物に対する科学の可能性を論じ、すべての人工物の集合であるところの文明の構築理論を論じているのだ。

   学識者ならずとも理解できるように練りこまれた内容は著者の力量をうかがわせる。われわれがどこまでシステムにアプローチできるのか、どのように扱うことができるのかを模索したい人におすすめ。(斎藤牧人)

重厚にして、小気味よい一冊。 ★★★★☆
 極めて論理的かつ主観的に自然科学と経済学と心理学についてまとめられた一冊です。ノーベル経済学賞を受賞した著者ならではの見聞の広さと考察力の鋭さが伺い知れます。第3版にて「複雑性」に関する新章が増補されており、組織的意思決定においてコンピュータ・シミュレーションによる分析に期待されております。
「人工物」におけるデザインとは何か? ★★★★★
出版されて30年近く経過、システム論というテーマについての基本
文献としてはいわずと知れた古典だが、いまだに著者によってメンテ
され第3版になってる。第3版では複雑系への論議が追加されている。
それだけ思い入れ深い著作なのだろう。
原題は「人工物の科学」。
「人工物」とは何か?について語る冒頭をよめばこれがいわゆるエン
ジニアリングの教科書などでないことがわかると思う。
むしろここでいう「人工物」は「文化」にちかい。いや、通常は自然
の一部として考えられるような認知にかかる領域についても踏み込ん
でいる。内/外の環境、その接合(I/F)。そこにおける「設計」
つまり「デザイン」というものをどうとらえるか・・・
ある意味とても難解ですらある本書はしかし、システムについて考え
る際はいまだに必ず読むべきものだと思える。