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一般システム思考入門

価格: ¥3,772
カテゴリ: 単行本
ブランド: 紀伊國屋書店
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ワインバーグの全ての本のバックボーン ★★★★☆
原著は、1975年出版。ワインバーグは、情報システム業界のコンサルタント・設計者・プログラマー向けに多くの本を書いているが、この本はそれら全てに共通するシステム的なものの見方を提示している。しかし、内容はかなり抽象的なもので、残念ながらこれを第一原理として、全ての情報システムに関連する業務フローやデータモデルが見通しよく整理できるというものではない。ただ、抽象的な分、適用範囲は広い。

純粋なシステム理論的な背景にも触れておこう。いまのシステム理論の最先端は第3世代と言われている。これは、オートポイエーシスと呼ばれる概念によってシステムを記述するものである。第1世代は、ベルタランフィの一般システム理論。第2世代が、自己組織化システムである。これらは、様々な領域で援用されていて、例えば、社会学ではルーマンが第3世代システム理論を参照点として社会システム理論を展開している。

さて、ワインバーグは第1世代の一般システム理論を下敷きにして本書を組み立てている。前述した抽象度の高さから、経営システムや情報システムに即適用することはなかなか難しいが、一度システム理論的な考え方を学んでおくことは、重要なことだろう。物事を考える上で必ず土台になる。多少古い本だが、星は4つにしておく。

この本だけで問題意識を完結させてはいけない ★★★★★
訳本のため、少々読みにくいのは仕方ない。
本書では、システムとは「ものの見方・考え方」といった感じである。
このため、いわゆる「システムとは何か」ということを勉強するための本ではない。
本書で語られる「『システム』というものの見方・考え方」を自分の専門分野で
「どのように生かすことができるか」というのが重要である。
こういった意味で、新たな視点を持つようになるきっかけになることは間違いない。
1979年出版の本がなぜ読まれるのか不思議 ★☆☆☆☆
5つ星にだまされた。
和訳が例のごとく、難解である。ワインバーグの伝えたい哲学や使う
専門用語を、訳者が理解していないため、50%以上が理解不能であった。
本書で使われる図番がどこにあるのかわからないのが4つもあった。
読みながら気になったのは、注意を喚起する傍点が行の下につくこと
である。読者の読む立場を考えていない。

この本は、システムを科学的立場からどう解釈すればよいか、という
内容をもつもので、ターゲットとする読者層は科学者である。それも
原書を読んで確認できるエリートである。凡人は時間と金の無駄に
なることを覚悟して読むべし。

「システム」に対する自分の認識を根本的に変えさせられました ★★★★★
「n個の要素があったとしたとき、その要素の間のインタラクションが何個あるか」という問いがあります。この本を読む前は、n(n-1)/2 だと思っていたのですが、実際は2のn乗だと教えてもらいました。インタラクションと聞いて、2体間のインタラクションしか考えつかなかったのは、私の<<常識=思い込み>>のせいでした。

このひとつの目覚めだけでも、私にとってこの本を読んだ価値は5つ星分ありました。この本を読む前と後では、ものの見方がワンランクアップしたという自覚があります。難解かもしれませんが、様々なシステムにかかわる方に、ぜひ若いうちに読んでもらいたい本のひとつです。