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数学の基礎―集合・数・位相 (基礎数学)

価格: ¥2,940
カテゴリ: 単行本
ブランド: 東京大学出版会
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   定評ある『線型代数入門』をはじめ、多くの著書を持つ数学者、齋藤正彦がこれまでにない新しい「集合と位相」の教科書をつくった。

   すべての数学は集合論の上に築かれる――集合と位相、そして実数論は、現代数学を学ぶうえでもっとも重要な基礎知識の1つである。なぜなら、実数の体系は、4則等の演算規則の「代数」的な構造、不等号で表される「順序」的な構造、極限概念等の「位相」的な構造を内包した数学的構造物だからである。それらを初学者向けに丁寧に解説したのが本書だ。

   著者は東京大学、放送大学などで長年、教鞭をとっているが、大学初年級の微積分の授業では実数論をやらない。それは多くの学生が理解できないし、時間がもったいないからである。自然科学者や高級技術者になるために、実数論は知らなくても困らない。現にえらい物理学者や工学者で実数論を知らない人はいっぱいいるというのだ。

   一方で、数学科の学生はきちんとした実数論を学ぶ必要がある。ところが、実数体の存在証明、すなわち有理数体からの完備化による実数体の構成をきちんとかいた本は意外に少ない。そこで本書の出番となる。

   本書では、全体を5章に分け、丁寧に実数論を展開している。さらに付録では、公理的集合論の基礎の基礎を、一般学生向けに解説している。著者は「実は、公理的集合論を知らなくても、普通の数学をやるのには少しも困らない。公理的集合論を知らない数学者も多いだろう」と断りつつも、数学者ないし学生は、教養として公理的集合論の初歩を知っている方がよいとの考えで付録にしている。

   先に述べた通り、集合論の上に全数学が築かれることは常識である。しかし公理的集合論の授業は非常に少ないのが現実らしい。「この本が日本の数学的風土に、多少なりとも影響を与えてくれれば著者にとってこれにまさる喜びはない」というまえがきからも、著者の数学教育に対する意気込みが感じられる。豊富な問題と詳細な解答にも好感が持てる、良質なテキストだ。(冴木なお)

希にみる良書 ★★★★★
これほどダイナミックで壮大な数学の本は見たことがない。公理的集合論から位相空間論まで、形式主義の体系をコンパクトにまとめたまさに「数学の基礎」にふさわしい内容である。個人的に感銘を受けたのは、多くの本が自然数や実数の概念を直感概念にたとえつつ構成するのに対し、この本は自然数からは自然数体に、実数からは実数体に、抽象概念を抽出した上で議論していることである。この作業のおかげで現代数学があくまで形式的な体系の上に築かれていることがより明瞭となる。この本の全体像だけでもつかんでおけば、大学1年生で学ぶ微分積分学でさえも壮大な理論体系であることを実感するだろう。ところでこの本の体裁は「数学の教科書」となっているが、むしろその趣旨は「数学の哲学書」というべきものであろう。したがって数学の専門家でなくとも数学そのものに興味のある全ての人にお勧めできる。しかし逆に数学科の生徒を含めて、大学の講義の参考書として使うのには適さないだろう。特に「集合と位相空間」の講義対策として使うのは全く的はずれといえる。
丁寧だが分かり辛い。 ★★★★☆
まえがきの一行目に"自習書"であると書かれているが、あまりその働きは期待しないほうがよい。たしかに解説は丁寧であるが、必要最低限のことしか書かれていないので、初めてこの分野に踏み込む人にとっては決してわかりやすく無い。またこういった分野は図説が非常に役立つと思うのだがそれが少なすぎる(なのに序盤のどうでもよい所には、ふんだんに図を使っている…)。また比較的独特の構成・順序になっているので、他の参考書との相互性が薄いというのもマイナス(これはこれで需要はあると思うが)。
逆にそういった点において、他の教材である程度基本的な概念を押さえた上で理解を整理するには役立つ。その意味での"自習書"なのかも知れない。

あと、最近出版された本ということもあってか、字が大きくて綺麗で読みやすい。

講義をサボった人には使えません。 ★★★☆☆
数学基礎の本は何冊か持っています。その中でもこの本はとても内容があり、詳細に至って詳しく解説されています。他の本ではカバーしていないところもしっかり出ています。ただ、テスト直前に勉強しようかと思って読むにはかなりヘビーなので自分で解りやすいと思った本を使ったほうがよいでしょう。基礎数学や位相数学については、もっと簡単に書かれた本も沢山出版されていますし。