高機能自閉症の人たちにとって学校がいかに苦しい場所になっていたのか,教師の無理解がどれだけ本人たちを傷つけてしまっていたのか,想像すると胸が痛みます。
現在,特別支援教育という枠の中で,日本に生まれたすべての子どもたちが幸せな学校時代を過ごせるよう行政が動き始めています。しかし,現場の先生たちのアンテナが低ければ,今でも森口さんの様な人がいるのではないかと思います。
この障害を、本人の口から『体験談』として(というより本人自身が)語り出した
それが『ドナ・ウィリアムス』であり『テンプル・グランディン』であった
彼女達の登場により、『自閉症者の世界』に一気に光が当たり始める
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そんな『自閉症者の世界』の語り部が、本国にもいた
本書の著者『森口 奈緒美』その人である
評論家や研究者からの論説ではない、本人自身が発信する『生き難さ』が綴られる
近年、『光とともに』という漫画がドラマ化されたこともあり、旧に脚光を浴び始めた観のある『自閉症』という障害
もっと深く理解する為、本人の語りに耳を傾けて欲しい
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理解者が増えることによって、彼らの『生き難さ』は少しづつ解消されて行く~
それと同時に、実際の自閉症であった著者の視点から自閉症についてと、またそのことによる過去のつらい経験を切実に書いた本であると思う。
この本を読み終わった時、自閉症がどういうものであるかをたくさんの人に知ってもらいたいし、そのためにもこの本をよりたくさんの人に読んでもらいたいと思った。