基本英単語を使い分けつつ使い切るための一冊
★★★★★
本書は、NHK教育の「新感覚☆キーワードで英会話」で放映されたもの
のうち、基本英単語を中心に、そのコアと用法を示したものである。
扱われている英単語は、keep, hold, get, give, take, be, have, come
や前置詞等、中学校〜高等学校1年程度の「基本的な」英単語ではあるが、
侮ってはいけない。
著者たちの「語彙力とは単語を使い分けつつ使い切る力」という考えの下、
周辺的な用法にもふれられ、「単語を使い切る」よう構成されているし、
例文もレベルが高いものが含まれている。また、remainとstay, fallとdrop,
liftとraise, wideとbroad, niceとfine等、似たニュアンスを持つ単語に
ついては、対照しながらコアを示すことで「単語を使い分ける」ように
工夫されている。このような「使い分け」と「使い切り」はかなり語彙力が
高い人でも難しいのではないだろうか?
こういったコアやイメージを提示する本においては、それらを示す図や絵
が大切になってくるのだが、本書の絵も素晴らしく、コアを文字で示される
よりも、ずっと分かりやすくなっているのが嬉しい。
特に英単語における「訳語」をいくつも無関係に覚えてきた方にとっては、
その無機質な繋がりを有契的なものにしてくれる本になることだろう。
絵が使われて構成も見やすいので、英語が苦手な人の取っ掛かりにもいい
だろう。
いまいち
★★☆☆☆
外国語を話そうとする時、個々の単語の持つ「イメージ」を浮かべながら単語を選択しなければならないと知った時、これまで学校で教わった「英語」がいかに意味のないものか痛感した。例えば「at」の核は「〜で」ではないし、「on」の核は「〜の上に」ではない。「will」も未来を意味しているとは言えない。こうした、テストで○を得るための情報をたたきこまれたおかげで、6年間も授業を受けたにもかかわらず英会話ができなかった。「英語は世界で最も簡単な言語である」と言うが日本人が英語を覚えようとしてもまず文法で苦戦する。それは日本語の文法が英語や仏語などとあまりにもかけ離れた文法だからだ。述語が最後にくるので最後まで話の内容の予想がつかない。一方で、日本人ほど多くの言葉を覚えている人種もないだろう。ひらがな、カタカナ、何万個の漢字、これだけを記憶する頭脳を日本人は持っている。だから英語を覚えることは苦もないはず、だと信じている。生まれた時から今まで親に文法を尋ねたことがあるか?いやない。私たち人類は周りで話される言語を状況に応じて自然に習得してきたはずだ。子供が「あれが欲しい」と簡単に覚えてしまうように。私の勉強方法は多くの言い回しを覚えることだ。文法なんかどうでもいい。「状況」にふさわしい文章を丸ごと暗記するようにしている。子供の脳に戻る努力をしている。この本はこういった私の学習方法にはあまり役に立たなかった。本にはスペースが限られているせいでイメージの説明が少なく、インターネット上で「英単語の持つイメージ(コア)」を検索した方がよりよい情報が得られる。この本が決して無駄とは言わないが、説明が足りない。